別荘探しの物語 空き家に一目惚れ
どうもゴリラ不動産です。
別荘探しの旅 一度は別荘欲しい欲望が迷走し、SUUMO、ホームズ、at-home、レインズ、xvideoとWEBを走り回った2ヶ月間
そして、次第に強くなった「別荘不要論」に自分自身を論破され、物語が終了しかけました。
しかし!欲望の為に、別荘が欲しいのではない!
「家族が友達が、みんなが特別な日を体験できる場所を作りたいのだ!!」
という欲望の皮を剥いたら出てきた感情を形にすべく、別荘探しを再開した。
前回の反省を生かして、まずは、場所の制限を考えることにした。
第1条件として車で1時間以内の場所を探すことにした。
そして狙うは地方の戸建て(空き家)だ。
何せ東京は土地が高い。
不動産は”坪”という単位をよく使うが、1坪=3.3㎡=2畳くらいである。東京の銀座「山野楽器」店舗前は、公示価格が日本一高いことで有名である。
むむむ。都内では、A3用紙くらいしか土地が買えない!A3用紙のサイズの土地に家なんて、シルバニアファミリーくらいしか建てれないじゃないか!そもそも土地の量り売りはしてくれない。
そんな馬鹿なことを考えていると、不動産のオーナー様から「千葉の館山に空き家と土地があるよ」とのこと。全く使っていないし、固定資産税の税金を払っているだけで困っているとのこと。これは千載一遇のチャンスかもしれない。と思っていると、台風15号が直撃 空き家の屋根も見事に吹っ飛びオーシャンビューならぬオーシャンスカイ状態
台風直後、オーナー様と館山に行ったときに周りの景色に驚愕した。ほとんどの家にブルーシートが被せられ甚大な被害を受けていた。一緒に瓦を片づけたり、断水しているエリアの方にお茶を配ったりした。
帰り道、海沿いはリスクがあるかもしれない。オーシャンビューは諦めて、山沿いを探そうと考えた。
しばらくして山エリアの物件を探していると、ある不動産会社のサイトに良さげな空き家が売りに出ていた。さっそく問い合わせるとまだ空いているとのこと。「一度内見したいんですが…」と問い合わせると難なく日程が決まったのである。
しかし、いつも気になる点がある。それは、不動産会社の電話での対応の違いである。不動産会社で働く人ならわかると思うが、一般の方の問い合わせと不動産会社の問い合わせでは、全く対応の温度差が違うのである。
「はい!!四井のリハウスです!」ここまでは一緒ですが、その後電話を掛けてきた対象が、一般の人と不動産会社では、全く違うのである。
あれ?急にうつ病になっちゃった?え?怒っている?って心配になるくらい態度が変わるのである。
そんなことはさて置き、内見当日 高速道路をぶっ飛ばし目的の空き家に到着した。家から40分 まずまずの距離感だ。現地で初めましての挨拶、名刺交換をすると、一瞬で僕が不動産会社ということを理解し、顔が曇る。
不思議なもので、不動産業界で働いていると、同業者はなぜかすぐわかる。街で見かける人でもたぶん十中八九 不動産屋だとわかると思う。そんな気まずい自己紹介を終え、目的の空き家を内見する。
空き家の第一印象は、デカいである。土地は、300㎡ 平屋建ての建物で約120㎡ある。ここが、銀座前野楽器前なら300㎡×5,720万=171億6千万だ。さっそく中に入ると、高い天井 大きな梁 太い大黒柱がオーラを放っている。「これ好き!」「素敵やん!」と心が躍った。
「すみませんが、こちらの売主さんの売却理由と利用方法って何ですか?」
「こちらは、元々別荘で建てたそうで、高齢になられたので使うことも少ないので売却になりました。」
「この建物結構お金かかってますよね?」
「注文住宅で作っているので、相当かかっていると思いますよ」
内見を終え、高速での帰り道 FMから流れる懐かしいnobody knowsの「ココロオドル」が僕のテンションを可笑しくする。
替え歌交じりに、テンションが上がり、既に自分のモノのように沢山の妄想が広がる。(友達をよんでBBQ出来るなぁ~)(週末は別荘でゆっくり過ごそうかなぁ~)(家族を集めて食事したいなぁ~)
しかし、不動産はいつもドラマティックだ。物件は1つ そしてその物件を買えるのも1人だ。
恋愛も同じだ。ノソノソしていられない。相手に好きと伝える前に、誰かのモノとなってしまうかもしれない。(初デートは水族館がいいかなぁ~)(映画館のほうがいいかなぁ~)(もしかしていきなり一泊旅行!)なんて妄想に暮れている時には、既に彼女は、誰かの腕の中である。
僕は結局、1件の内見だけで、他の物件(彼女)と比較することもなく、買付書(ラブレター)に購入の意思表示を記入した。
・・・募集価格から200万円引いた数字で。