旅するトレーナー in 三重県〜奈良県 《三重県編》
三重県編
鬼ヶ城
三重県熊野市にある鬼ヶ城。
自然の力によって造られた大岩壁で国の名勝・天然記念物に指定されている。
その名の通り、鬼の牙や爪のような荒々しい形の岩壁が1.2kmも続いていてその迫力に圧倒されます!
自然の力
自然の力はすごい。
荒波による侵食と、地震による隆起によって岩のかたちが長年かけて変わっていったそうです。
目の前にすると、ものすごい力強さを感じます。
気持ちが熱く高まり、野生の力が目覚める感覚になりました。
自然の力はすごい。
人間も自然の一部
そのすごい自然を見ていると、自然に生かされているのだと実感し、
「愛してます。ありがとうございます。」
と心が熱くなって語りかけたくなります。
でも、すごいというのは人間の視点であり、自然自体は地球上での当たり前のサイクルをこなし、生命の循環を回し続けています。
岩壁の上は森になっているのですが、そこから流れ出た水が海に直接注がれていました。
海の水が蒸発し、雨雲となり山に雨を降らせ、植物や様々な生き物を育み、また海へと流れる。
これこそ自然本来の循環だと感じました。
しかし、街の方へ目を向けると山と海の間にはコンクリートで固められた道路が走り、自然の循環を遮断しています。
テクノロジーの進化のおかげで私たちは快適な生活を送ることができているので非常にありがたいことですが、自然にとっては何もメリットはないのは事実なので、複雑な気持ちになりました。
あくまで人間は自然本来の循環システムの中でその恩恵を受けているからこそ生きていけるので、自然の力がなければこの地球上で暮らすことはできません。
実際に、自然本来の循環システムを壊したツケは様々なかたちで回ってきています。
自然が少ない人工物に囲まれた場所で生活しているとつい人間の力で暮らしていると思い込んでしまいます。
たまには自然に触れて、人間本来の在り方を感じてみることは必要だと思います。
人間も本来は自然の一部です。
自然を大切に思う気持ちは、自分を大切にすることにも繋がると思います。
ワクワク感と緊張感
自然を目の前にすると、ワクワクします。
それと同時に危険を察知して緊張感が高まり注意深くもなります。
自然の中は人工的に整えられた道はないし、何が起こるかわからない状況の連続です。だからこそ冒険心がくすぐられてワクワクするし、その分常に危険も伴うので危険回避能力も発揮されます。
こんな感じで、遊び心が大開放されました。
危険も伴う分、五感が研ぎ澄まされて注意力や集中力が高まります。
自分ができることとできないことは自分を知っていないと判断できません。
できないことや身の危険を感じる時は無理せず退避する判断も大切です。
そういう判断力もワクワク感と緊張感がある自然の中でこそ身につくと思います。
自然の中は多くの気づきや発見を与えてくれて自分を深く知ることができます。
熊野古道
鬼ヶ城を抜けると、その先は熊野古道に繋がっていました。
海から山へ。
今回歩いたのは熊野古道のほんの一部だけでしたが、この道を遥か昔から多くの人が通っていたと思うと感慨深いです。
山道は地面が隆起しているので常に足元や周囲の状況を確認しながら歩くので余計なことを考えられません。
五感、バランス感覚などあらゆる感覚が自動的に働き今に集中するので、歩いているだけで心身が整います。
鬼ヶ城〜熊野古道のルートは、海と山両方楽しめる素晴らしいコースでした。
人間本来の力
ワクワク感と緊張感。
進む力と留まる力。
この両方のバランスが大切なのだと思います。
これらは生命維持のために人間に本来備わっている力です。
それを日常でバランス良く体感することで、自律神経の切り替えがスムーズになり、今に生きている充実感を感じられて、心身のバランスが整います。
原始時代からそのように人間はプログラムされています。
現代では便利、快適、安全を追求して来たから、危険回避能力が働かないのでバランスが保てず心身の不調をきたしている人が多いように思います。
それを補うためにお金を払って様々なサービスを受けています。
もちろん現代には人間の知識や研究によって生み出された素晴らしい健康関連のサービスがたくさんあり、それを受けることで良いきっかけや変化を得ることができます。
でも、その前に、
人間には本来、自分で整える力が備わっていて、本当に自分を改善できるのは自分しかいないということを認識することも大切だと思います。
一人一人に唯一無二の素晴らしい力が備わっているのですから。
自然の中で身体を動かしていると、そのことを強く感じさせてくれます。
自然と共に生きる
自然はいつだって人間本来の在り方を教えてくれます。
僕は、自然の中にいる時が一番自分らしくいられて自分を発揮できます。
五感と、遊び心、発想力、創造力、行動力、危険回避能力をフル活用して身体を動かしていると、この上ない充実感を感じます。
やっぱり人間は自然の中でこそ、本来の力を発揮できるようにプログラムされているのだと思います。
鬼ヶ城の近くに花の窟神社という日本最古の神社があります。
この神社は、社殿がなく高さ45mもの巨大な岩を御神体として、古代の自然崇拝の姿を残しています。
古代の人は自然との結びつきが強く、自然への思いや自然を感じる感覚が研ぎ澄まされていたのだと思います。
人間の創造物ではない今そこに実在するものこそ自然であり、それを身近に感じることが人間にとって本来自然なかたちなのだと思います。
古代からずっと人間は自然と共に生きて来たけど、現代は自然との関わりがどんどん希薄になっています。
それに伴って、現代では昔にはなかった様々な心身の不調を引き起こしています。
人間の本質的な心身の健康や生き方を取り戻すためにも、自然と共に生きる生き方を再考し、今こそ原点回帰が必要なのだと思います。
パーソナルトレーナーとして本質的な健康を考えると、
「自然の中で遊ぶように身体を動かす」
これが一番の健康法だと思います。
それを実証するために、もっと自然のことを理解し、人間の身体のことを理解したいと思います。
自然の探究、身体の探究。
これが旅するトレーナーの目的であり、僕の人生の目的でもあります。
そして、自分の学びや体験をトレーナーとして必要としている人に伝え、自然体の人が増えたらもっと楽しくエネルギッシュな社会になると信じています。
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