免疫力を上げる講座(2)~免疫力と身体を温めること
<要約>
免疫力は免疫細胞が身体の隅々まで早く行って活発に活動できることで発揮されます。身体を早く血液がめぐるためには、身体を温めることが助けとなります。東洋医学では、足のツボをお灸することで、身体を温め、免疫力UPにつながります。
1.免疫力とは
免疫力とは、ウイルス等の人間に悪影響を与えるものが身体に入って来た時に排除する機能のことです。何種類もある免疫細胞と呼ばれるものが共同して外敵に対処しています。
実は現在、免疫力というのを正確に評価する指標はありません。
しかし、病気になって発熱し、その後に病気が治るということを考えると、体温が上がることはウイルスが死ぬことに繋がると考えられています。これは発熱することによって血流が良くなり、免疫細胞が身体の隅々まで早く行くことが可能になり、免疫活動が活発になるからと考えています。
<参考文献>
小白川至誠堂病院 健康メモ「体温」
2.身体を温めること
発熱によって血流が良くなって、免疫活動が活発になるとするならば、身体を温めることは、免疫力を上げることに良い影響を与えると言えます。
鍼(はり)や灸(きゅう)の治療では、免疫力を上げるために、身体のコリを取ってめぐり易くし、お灸で血流を良くして病気を治しています。
免疫力を測る指標は無いかもしれませんが、長く鍼灸による治療をしている中で、経験的に身体を温めることが免疫力を高めると感じています。
ですから、ウイルスに負けない身体を作るためにも、身体を温めることは大事です。
なるべく飲食は温かい物にする、お風呂に入るなど、積極的に身体を温めることをして下さい。
3.足にお灸をする
東洋医学で身体を温めるツボとして、太渓(たいけい)というツボがあります。これは足の内踝(うちくるぶし)の後ろにあるツボです。
このツボは足の動脈が流れている場所にあり、刺激することで足の血液の流れが良くなります。足は心臓からかなり離れた場所であり、身体の末端に近いところにあるので、先ほどの免疫力を上げる説明の中の「身体の隅々まで早く行く」助けとなります。
さらにこのツボにお灸をすると、血液が温められるので、隅々まで温かい血液がめぐり、さらに心臓へ帰る血液も温かくなるので、身体を効率的に温める効果があるのです。
4.太渓にお灸をしよう!
太渓というツボは、内踝の頂上とアキレス腱の間の凹んだところにあります。(画像のお灸が乗っているところです)
ここに市販のお灸で構いませんので、毎日左右1つずつやってみて下さい。
このツボは押すだけでも効果がありますが、温めるという意味ではお灸がお勧めです。
血流を良くして、身体を温め、免疫力を上げることに効果がありますので、ぜひお試しく下さい!
5.まとめ
免疫力UPには身体を温めることが大事であり、太渓というツボにお灸をすることで、効率的に身体を温め、免疫力を上げることができます。
<執筆>
表参道鍼灸マッサージ治療室自然なからだ
院長 手塚幸忠(てづかゆきただ)
《東洋医学とツボの専門家》
新医協東京支部鍼灸部会 会長/臨床実技講座講師
東洋医学臨床勉強会 会長
一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会理事
関東医療学園 関東鍼灸専門学校 講師
日本伝統鍼灸学会 学術部
全日本鍼灸学会会員
健康経営アドバイザー
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