読書メモ:金儲けのレシピ
いかにも不埒なタイトルのこの本は、とあるビジネスオーナーが発見した、商売の原理原則をまとめた、140ページほどの薄い本です。
理論がOut-of-the-box thinking
最初から前提がぶっとんでるんですね。
普通に商売すると最終的に自分の労働コスト分しか手残りがない。
だから儲けるためには「特殊な理由で『完全競争市場』にならない市場」を発見し、また作りだす必要があるって、言ってるんです。
そして、いま社会に存在している、「特殊な理由で『完全競争市場』にならない市場」と、検討のしかたを解説してくれてます。たとえば
消費者から買う
客に作業させる
などといった観点ですね。
ま、ビジネスモデルの解説、という意味では、ほかにも似たような本はいろいろあると思うんですけど、この著者の場合、解説の仕方がぶっとんでるんですね。
合法的に麻薬を売る
こんな見出しをつけると、「何それ?」って思うじゃないですか。
でも、著者に言わせるとタバコも塩も中毒性があり、まごうことなきドラッグだそうです。
そして誰もが大好き「砂糖、小麦粉、脂肪」の白い粉3点セット!
ビジネスのポイントとしては「隠れた砂糖を食べさせる」
そして「美味しかった」という感想を抱かせるための文脈を載せて売れ、とのことです。
わたくし、この章を読んだ段階でシビれまして。
クレープ、タピオカ、パンケーキを、白い粉と、合法麻薬と言い切るビジネス書、ほかにないですもん。
消費者としても白い粉には重々気を付けようって心に誓いました。
つまり、ぶっちゃけ本音ビジネスモデル本
私は学者の孫、サラリーマンの娘、かつ人事ウーマンなので商売にはとんと無知。
ビジネスモデルを説明されても、「うん、モデルはわかった。それで?」というくらい商売につながる思考回路がないです。
その点、この本では本当にぶっちゃけ本音理論で解説してくれているので、ああ、あの会社のビジネスモデルはこの章で解説されてたものだなあ
あのヒトのあの活動は、この章で解説されてたものだなあ などと、腹落ちにつながっています。
私がこの本をもとにアクションできるかというと、また別問題ではあるのですが、それでもビジネスモデルというものが、だいぶ気楽に考えられる対象にはなりますね。
クセが強いので読者は選びますが、若い方なら一読をお勧めしたいです。