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定年後については「定年と年金」だけ読めばいいと思ってる

自社でキャリア研修を開催するために、ものすごくたくさんの本を読みました。とくに年金関連の本は入念に読みましたが、最終的にこの本だけを読めばいいと思っています。

「定年と年金」大江加代著


こちらの本です。

大江加代さんは確定拠出年金アナリストで、旦那様の大江英樹さん(故人)とともに、定年前後の資産形成・ライフプランなどについての著書を多く書かれています。

この「定年と年金」では、

  • 定年とシニア世代の働き方

  • 年金と退職金のもらい方

  • 老後資金をどう管理するか

といったトピックを、守りに入りすぎることもなく、かといって読者をあおるわけでもなく、冷静にそして具体的に解説してくれています。

定年後の働き方


サザエさんのお父さん、波平さんって、たぶん55歳以下なんですよね。
あのころってたぶん定年は55歳。
でも波平さんは働いているから55歳にはなってないでしょ?
フネさんなんか、すごいおばあちゃんって感じがするけど50代前半ですよね。

およそ50年前、昭和30年(1955年)の日本人の平均寿命は、男性63.60年、女性67.75年。定年は55歳です。
令和5年(2023年)の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳。
昭和30年方式で考えると、せめて70歳までは働かないといけない感じですよね。

あ、なるほどそれで高齢者雇用安定法は70歳までの就業機会確保の環境整備を促しているんですね。

で、この本の中でも大江さんは「長く働いて収入を切らさない」ことが不安払しょくのカギとおっしゃってます。
ただ我慢して嫌な仕事をするんじゃなくて、「定年後こそ好きなことをしてお金を稼ごう」と。

もらえるお金のパズル


サラリーマンであれば、「公的年金」と「退職金・企業年金」、そして自分で積み立てるiDeCoのような「じぶん年金」があります。
加えて「定年後の仕事による収入」、それらのお金のパズルを組み合わせて、税金・社会保険などで無駄に損をしない受け取り方を考えていきましょう、というのが、この本のキモです。

それらの制度についてもこの本の中で詳しく説明されていますが、実際のところは自分で調べてまとめる必要があります。

読んだだけでは、おそらくわかったような気がしても、しばらくして不安が押し寄せてきます。
不安を払しょくするには、とにかく調べないといけません。

公的年金についてはねんきんネットで調べるのが一番詳しいので、定年間近であればぜひこちらで調べることをお勧めします。
もらい方についても、たとえば75歳まで繰り下げした時にはいくらもらえるか、具体的な金額まで計算してくれる機能もあります。

https://www.nenkin.go.jp/n_net/introduction/summary.html

退職金がいくらもらえるのか、いつどのような形態でもらえるのについては、担当の方に聞いてみましょう。

iDeCoについては、もらえる金額は個々人の運用成績によります。
税金的には実は退職金の扱いで、そのために出口戦略が複雑です。
会社からの退職金がある人は受け取り方について個々のケースで違うため、FPさんに相談したほうがいいと思います。

定年後の資金管理


この本が信用できるのは、変な保険とかを勧めてこないところなのかもしれないですね。
退職金が振り込まれると、銀行や証券会社から連絡が入ると言いますよね。普通の人が大金をいきなり手にするため、リスキーな投資に手を出す人もいます。
この手の本でも、雑誌やムックだとスポンサーについた保険会社とかの広告が記事っぽく載っていたりしますし。

大江さんは、長期、分散、継続のポリシーにのっとって、キャッシュも持ちながら、インフレに負けないような投資をお勧めされています。
つみたてNISAは続けましょうっていうことです。
そして、決して銀行の言うままの商品を買うなともおっしゃってます。
ほら、なんて良心的!


先に書いたように、この本を読むだけでは不安は払しょくできません。
結局自分で調べないといけないこと、考えないといけないことはたくさんあります。

だけど、退職金制度のあるサラリーマンならば、「公的年金」と「退職金・企業年金」、そして「じぶん年金」についての羅針盤としては、しばらくこの本を読むだけで大丈夫そうです。

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SHIZ@老後は遊ぶ金欲しさに働く
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