最後に動物の心を満たす獣医療を
ぼくら飼主は動物が終末期になってもなお、少しでもよくなってほしい、治ってほしいと願う。
治らないまでも少しでも長生きしてほしいと思って
イヤがる薬を飲ませて、食べたくない療法食を強制的に食べさせたりする。
食べなくなると栄養を取らなきゃと流動食をイヤがっても飲ませようとする。
水分を飲まないと脱水すると思って強制的にスポイトで、飲ませたりする。
何かできることはないのかと藁にもすがる思いで、ネット検索しまくって
あれがいいこれがいいと書いてあれば動物に試したりする。
動物の心を置き去りに動物の気持ちよりも病気のことを優先する。
動物の思いよりもぼくら飼主の不安や心配を優先して
しかめっ面したり、申し訳なさそうな顔でイヤがる治療をする。
それよりも動物の心を満たすことを優先してもいいんじゃないかと思うのさ。
終末期になった時に延命治療も大事だと思うけど
例え寿命が短くなっても動物の心を優先して
栄養を取るために食べるのでもなく、病気を治すために食べるのでもなく
心を満たすために食べたいものを食べる。
食べたい、おいしいと動物が喜ぶものをあげる。
それでもいいじゃないか。
動物が喜んで過ごすことの方がどれだけ動物の心が満たされ動物のためになるか。
今までは、終末期になろうが、治らない病気になろうが、死を受け入れず、目を背け
最期まで治療をする。
最期まで諦めない。
死ぬまで治療をする。
ことが今まで当たり前だった。
これからのは、動物の終末期に死を受け入れて死に対する準備をしていき
動物の気持ちを優先し、心を満たし、苦しまないような死の迎え方をしていくための獣医療を
飼い主さんに提供して動物も人も心を大切に満たしてく。
そんな獣医療を動物のためにしてもいいんじゃないかと思うのさ。
今までのような、もの、金の物質的な欲を満たす時代から
心、気持ちなどの心を満す時代へと変わっていきたい。
心をいっぱいの幸せで満たし、死から目を背けるのではなく、「今」に目を向け
食べたいものを食べ、笑顔に満ちあふれた日々を送り、枯れていくように苦しみもなく、静かに生涯を終わっていく。
そんな獣医療があってもいいんじゃないかと思うのさ。
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