犬猫の血液検査の臨床判断値
犬のフィラリア検査と一緒に血液検査もして、健康診断してる人も多いと思う。
当院もフィラリア検査と健康診断を一緒にやってる。
ぼくら飼主としては、血液検査の結果が
基準範囲に入っていると安心するけど
基準範囲より高かったり、低かったりすると心配になる。
その気持ちはわかるんだけど基準範囲に入っていも問題なことはあるし
基準範囲より高かったり、低かったりしても正常なこともある。
基準範囲とその子の正常値は違うのさ。
じゃーどうしたらいいの?
ってなると思うけど
最近、言われるようになっているのが「臨床判断値」ってヤツ。
これは基準範囲とは全く別の概念で、病気の予測をしたり、診断したり
治療を開始するタイミングを判断する検査値になるんよ。
例えば、リンの値は基準範囲が2.2~5.9なんだけど
慢性腎臓病の場合は、5.0以下になるようにするのさ。
リンが5.5だったら基準範囲なのに
慢性腎臓病だったらリンを下げる治療を開始する必要がある。
基準範囲内なのに治療を開始するってどういうこと⁈
ってなる。
クレアチニンは痩せてる子は上がらないので
腎臓が悪くなってもずっと基準範囲になってることがある。
そんな時は腎臓が悪くなっていないんじゃなくて、SDMAをみて判断する。
血液検査の基準範囲はあくまでも参考値で
種類によっても違うし、その子その子によっても違うし、病気によっては基準範囲でも治療をすることもあるのさ。
血液検査のデータも大事だけど、その子の体全体を診て判断することが大事なんよね。