tosyokan
どうも虫の居所が悪い。
ありがたいことに最近はやれることが多くなっておもしろい。
歌に弾き語りの動画投稿にDTM、それからRECや楽曲案件。
これも日々指導してくださる先生方や周りの友人たちのおかげである。
非常にいい状態だ。
それなのに虫の居所が悪い。
というのも、やれることが増えたということはやれることが渋滞しているということである。
それもそれぞれが一筋縄にはいかないどっしり感のある事象でやはり時間のかかることだ。
この波を途切れないためにもどんどんやっていきたいつもりなのだが、なかなかそういうわけにもいかない。
そういえば今日は外に出ていない。
外に出よう。昼の15時のことである。
たどり着いたのは図書館である。
最初からここに行こうと決めていたわけではないのだが、かつてはよくここでCDだとかを借りに通ったものだ。
本当にやることがない時人は過去に思いを馳せる。
そういえばそういうこともあったなということで今の図書館を尋ねることにしたのだ。タダだし。
昨今じゃめずらしくもなくなった消毒を終えると、中は昔のままの間取りだった。
その割には新規入荷のコーナーは充実している。
一体昔の本はどこにいってしまうのだろうか。
さぁて、はだしのゲンでも読むか。
大きな文庫コーナーのある漫画コーナー。ここだ。
このために図書館はあるといってもいい。
昨今じゃ復刻版の漫画だとかもあったりするから、マンガ喫茶ではカバーできない文庫もあったりする。
オレ自身小説やラノベはここで補完してきていたが、やはりマンガが一番。
ここにはだしのゲンがあるはずだ。うん、みつけた。
名シーンばかりでストーリーを忘れてしまったのでちょうどいい。
早速一巻を取り出し備え付けのソファに居を移そうとしたその時
横のコーナーに目がいった。
「藤子・F・不二雄コーナー」
言わずと知れた名作ドラえもんの作者F先生。
そこに鎮座するのは泣く子も黙るSF短編集である。
内容は各自調べていただきたい、不朽のショートショートがタダ同然で再読できる。これだから図書館はヤバい。
自分の機嫌を取るために外に出たのに、過酷な戦争体験で重たい感じを得るのもなんだ。これにしよう。階上へ。
ところでさっきここに来る途中でたこ焼きを買ってきた。
カバンがほんのり暖かい。
幸いこの階層は普段自習室として機能しているから、こっそり食べてもきっとバレることはないだろう。
しかし目の前に館内は飲食禁止の張り紙があるのだが。
非常に面倒だが階段を下りて中庭でたこ焼きを食べることにしますか?
はい
いいえ←
「ひっかかったな!馬鹿め!」
一つ目のたこ焼きを口に運んだ刹那、大柄の男達が大挙してきた。
あなたは飲食禁止の禁を破り、抵抗むなしく図書館特殊警団に身柄を拘束されてしまった。
いったい何に対しての「ひっかかった」なのだろうか。
そんな逡巡も虚しくあなたは地下労働の命の折り、帰らぬ人となってしまった。
事実は闇の中へ。
fin
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