Misty
幽かに渡るさざ波と
木霊になって響く小鳥の囀りが
目眩を喚びおこす静寂を切り裂いて
時に存在を 知らせるものだから
どうにかまだ 意識はソコにあるようなものだけれど
しっとり濡れた朝霧は
やがて
眼には視えない
細かな雨粒となって
吸い込む胸の隅々までを潤したり
纏った衣を 肌に張りつかせたりしては
なおも ゆっくりと
私の まろやかな体温を湿潤のように奪ってゆく
手と足は
しみじみと 冷えきってしまったから
眼前にありながら 霞んでいた
ほの暗い湖の水に
浸し続けていたように 想えてしまって
叱られたように しょんぼりとしている
だけど
本当に ソコに佇んでいたのかしらと
目眩の向こうを 呼び起こしてみたりもしている
わかっているのは
私はいつでも
ひとり だということ
そんな 毎日な
ここ数日
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