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朗読のための古典怪談

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江戸・明治時代の古典怪談を、朗読用に現代語訳して書いたテキストです。どうぞお楽しみ下さい。
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#天狗

天狗にさらわれた侍

天狗にさらわれた侍

 〜芥川龍之介
 『俶図志異(しょうずしい)』より〜

これは、桜町天皇の御世(みよ)のとき、元文五年にあったことである。
元文五年は、西暦では1740年になる。
この年、比叡山の西塔、釈迦堂の御修理があった。
これを采配した奉行は、江州信楽の代官、多羅尾四郎左エ門(たらおしろうざえもん)と、もう一人は、大津の代官、石原清左エ門(いしはらせいざえもん)であった。
その石原の家来に、木内兵左エ門(き

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