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SHIVA
2021年10月29日 00:13
昔、むかし。今の静岡が、遠江(とおとうみ)と呼ばれていたころ。この国に、堀越何とかという人がいたが、この人は十五歳の時に男の子を一人もうけ、この子は十五歳になった時に嫁を迎え入れた。つまり堀越は、三十歳で舅となったのである。この嫁は、顔かたちも美しく、万事に於いて気の利く女であった。が、舅の堀越は、この嫁と顔を合わせてもろくに口もきかず、嫁の顔を見ないようにうつむいてさえいた。誰も
2021年10月8日 00:34
伊賀の国の喰代(ほうじろ)という所には、六十も寺が建っていた。一休禅師が修行でこの地を通った時、日が暮れたので宿を借りようとあちこちの寺を回ったが、人ひとりもいなかった。一休は不思議に思い、残りの寺もすべて行ってみると、ある寺に美しい少年がひとり居た。その寺の、召使いだった。一休が一夜の宿を乞うと、少年は「お易いことではございますが、この寺には夜な夜な化け物がやって来て、人をとり殺し