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寒さに備える

今日もインドネシア駐在時のことを書きたいと思います。

インドネシアの国民性を表現する特徴はいくつかあると思いますが、その中でも私が一番感じるのは、物事を積み上げ式で考える、ということです。

駐在中、仕事が遅い、納期を守らないと感じることが何度もありましたが、私がインドネシアに駐在して真っ先にやろうとしたのが、自分の仕事の計画を作らせる、ということでした。

まずは自分のこの先一ヶ月の予定を作りなさい、と指示したわけですが、結果は、まあ計画を作るのが下手なこと下手なこと(笑)。まず、この仕事をいつまでに終えないといけないのか、という概念がない計画なんですよね。

普通は、これをいつまでにやらないといけなくて、そのためには何をやって、その前に何をやって。。。という具合に逆算していき、だから今これをやらないといけない、ってことになるんですが、多くのインドネシア人は今これをやれるかれこれをやって、さあ、次に何をやろうか?何がやれるか?
と考えて、思いつきに近い形で仕事を進めます。


つまり積み上げ式で考えていくんですよね。
だから、気がついたら納期を過ぎていた、なんてことになるわけです。

もちろん、日本にだってそういう人はいますが、インドネシアはその率がかなり高い。エース級のスタッフでもそれができませんでした。

仕事の全体像が頭に入っていない、ということもあるかもしれませんが、
とにかく先のことを考えない民族です。

その理由を、木の実が年中なってるから腹が減ったらいつでも食べれるからそうなったんだよ、とかいう人もいますが、まあ、それもはずれではないとは思いますが、さすがにそんなに豊富に食料があるとは思いません。

私はそういう考え方になってしまった原因は寒さを防ぐ必要がないからだと思っています。

寒さを防ぐためには服を作ったり、暖をとるために薪を集めたり、といろいろ準備をする必要があります。なので、先を見越した準備をしないといけません。特に日本は寒さだけではなく、自然災害が多い国ですから、それに対する備えもしないといけない。だから、自然と先を見越すということが身につき、国民性と言えるくらいにまでなったんだと思っています。

世界を見回しても、一般的に南国の人は働かない、のんびりしていると言われますが、それが理由なんだと思います。それに対して先進国と言われる国は寒い国が多いですよね。

人が楽しく生きていくためにはこの積み上げ式の考え方の方がいいですよね。だって、先の心配をしなくていいんですから。だから、インドネシア人は基本的にみんなめっちゃいいヤツです。

でも、ロスを少なくするために先を見越して行動しないといけない製造業には向いていない、と言えると思います。外資以外の製造業がなかなか成長しないのはそこに原因がある私は思っています。

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