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【秋田県】栗駒国定公園・小安峡大噴湯(2024/06/21)
数年前に鳥海山で知り合った女性とのご縁が続いておりまして、秋田〜山形を通る際はタイミングが合えば遊んでもらって、ありがたいことに今年もあちこちドライブに連れて行っていただいてます。
今回は秋田県湯沢市皆瀬新処にある小安峡(おやすきょう)を案内していただきました。
・小安峡大噴湯(だいふんとう)|湯沢市観光物産協会
GoogleMAPはこちら
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小安峡は栗駒国定公園内にあります。岩手県・山形県・宮城県にも近い。
ところで地図って、たいてい北が上なのに下になってるの珍しい。
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小安峡温泉をはじめ、周りには温泉地が点在してます。
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小安峡大噴湯駐車場にクルマを停めて散策。駐車場には観光物産館、小安峡温泉観光案内所、足湯『あぐりの湯』、公衆トイレがあります。
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まずは河原湯橋から見下ろしてみる。うおぉ、高い!
小安峡は、皆瀬川の急流が永年にわたって両岸を深く浸食してできたV字峡谷です。
写真:右=珍しい八重のドクダミを発見!しかも、たくさんあった!
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遊歩道の高低差は約60mらしい。躊躇するけど、ここまで来たからには間近に見たい。
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以前も訪れた事があるYさん、反対側から降りようと国道398号線を下流側へ。左に『兼子商店 噴湯店』、右に『たむら屋』が見えます。
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なっが〜〜〜〜〜い階段!!! しかも急勾配。
ここを登ってくる観光客みんな肩で息をして、たまに座って休んでる人もいました。これは膝に来そう。ゆっくり、ゆっくり降ります。
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長〜い階段を降りきって振り返ったところ。
上流の方に、先ほど橋からも確認できた滝が見えます。不動滝かな、と思ったけどGoogleMAPで見たら左側にあるはずだから違うみたい。
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少し歩くと噴気ゾーン。岩盤のあちこちから蒸気が吹き出しています。
【地質】噴き出す温泉はどこからきたの?
谷底の壁から勢いよく温泉が湧き出ています。これは、地下のマグマだまりにより雨や雪解け水が熱せられたものです。
地下の温泉の通り道を皆瀬川が抉り、今の姿となりました。
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川は透き通ったエメラルドグリーン。飛び込みたいくらい。
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このあたりの流れは穏やかです。
しかし、ひとたび大雨となれば激流となり岩盤を削ってゆきます。
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有毒ガスは含まれていないので安心してください。
しかし熱気でむせる!
対岸からも蒸気がモクモクと。「見えない火山地帯」と呼ばれているのもうなずけます。川は温かいのだろうか?
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江戸時代の紀行家・菅江真澄も小安峡を訪れ、高松日記に書き残しているとか。
大噴湯(地元では『からふけ』と呼ぶ)が三、四丈(9~12m)も吹き上がり、滝の落ちる川を越えて向こうの岸の岩にあたり、霧となって散っていく。
噴湯が岩の裂け目ごとに湯気の雲をわきおこして、雷神のような響きを立て吹き上げるように湯が出ている。
「からふけ」= 川原毛(かわらけ)地獄のことかな? 小安峡から約13km。
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ぬるっとした藻?苔?が生えている岸壁を滴り落ちるのは水かお湯か、両方か?
【生態】謎に包まれた未知の微生物が!?
温泉水中の微生物に着目すると、大半が約60℃以上で生育する好熱性細菌で、種類によっては120℃以上まで耐えられます。
中には、よくわかっていない(超)好熱菌もいます。
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ところにより凄い勢いで噴出してます、ご注意を!
【文化】人を支える地球のぬくもり
温泉旅館をはじめ、乳製品の低温殺菌や野菜・果物の乾燥加工、地熱発電所など様々な形で本地域の地熱が活用されています。
熱電研究には特に注目が集まっています。
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噴気ゾーンを抜けると別世界のように静か〜〜〜
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これはポットホールではなく、以前に手すりか何かを立てた跡のような?
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写真:右=この一直線のラインが示すのは? 見ていて飽きない。
恐山、立山と並び日本三大霊地と言われる川原毛地獄周辺の地質は、激しい火山活動で形成された虎毛山層と呼ばれるデイサイト質凝灰岩類です。
(略)
大噴湯は、断崖絶壁の川底の三途川層(湖成堆積層)の隙間や割れ目から、轟音と共に白煙化した高温の蒸気と熱湯を噴き出しており、その様子は迫力満点で、まさに大地の息吹そのものです。
これまでに実施された地質調査や地熱探査ボーリングで、小安地区の地下は、断裂構造(断層、破砕帯や割れ目)が交差していることがわかっています。
(略)
大噴湯と地下の熱対流に重要な役割を果たしているのが、鮮新世(約500万年前)の虎毛山層の溶結凝灰岩です。この地層は緻密で、熱せられた地下水の熱放散を防ぎ、高温を保つ作用(熱に対するキャップロック)を果たしています。
これらの条件が重なったことにより、小安や大湯周辺では100℃の等温線が地表付近に近づき、地表で90℃以上の高温の蒸気が噴出しています。
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橋を過ぎた対岸の様子。ぬるっとした苔、ふさふさの苔、植生が変わっていくのも面白い。
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遊歩道の階段を登っている途中、ふと足元を見たらホタルがいたー!
どこかに真水が湧いているのだろうか? 湿地なら生育できるのか?
ニナじゃなくて他の陸生貝類を宿主にしてるのか?
新天地を求めて飛んできたのか?
* * * * *
ところで、今回のルートは大正解でした。
スタートした下流・兼子商店側の階段はとっても急で、降りるよりも登るほうが大変だったと思います。
帰りの上流・大噴湯駐車場側の階段は勾配が緩やかなつづら折りで、森の散策路という雰囲気なのもよかったです。
所要時間は約30〜40分。
春は新緑、秋は紅葉(10月中旬~11月上旬頃)、冬は峡谷に下がる大きな氷柱「しがっこ」と共に楽しめるのも魅力とのこと。紅葉の時季にも来てみたいなぁ。
※遊歩道はペット同伴不可です※
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駐車場に戻って、足湯『あぐりの湯』で疲れを癒やす。地元の女性とお喋りして、のどかで穏やかな癒やしの時間となりました。
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すぐ近くにある『とことん山キャンプ場』には、源泉掛け流しの天然温泉があるそうです。秋田県内で温泉があるキャンプ場はここだけ、と公式サイトに明記してあります。ちょっと泊まってみたい!
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