道
今までみんなと手を繋いで、同じ学校へ行って
同じことを学んで、同じように遊んで、同じような場所へ帰っていた。
それが当たり前で、楽しいな、嬉しいな、悲しいな、そんな感情もすべて共有していたように思う。
いつしか、繋いでいた手は緩んでいき、気がつくと離れていた。
みんなどこへ行ってしまうのだろう、答えなんてきっとないのに、そこに存在する何かの元へ必死になって手を伸ばす。
似たような環境で、頭を使って、体を使って、毎日を楽しく生きてきたつもりだったけれど
感情を自分の中でぐっと押さえ込んだり、その場の空気を読んで発言したり、大変だなと思うことも増えて。
どこで人は、1人の人間として、こうでなければならない、と自覚するのだろう。
一本の大きくて平な道しかなかったはずなのに
細くてでこぼこな複数の道が目の前に広がっていく。
嫌な空気を纏う、その細い道のどれかを選ばなければならない。
ここを通ったら安全だよ、なんて言葉は存在しない。
どの道も正解でありながら、苦しい道だ。
私はまた、自分で選択した苦しい道を歩み続けなければならない。
きっと正解だ、と言い聞かせながら。
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