#2ショートショートらしきもの「友達」
「じゃあそれっきり連絡もないの?」
「そうなの。酷いでしょ。元はあっちから告白してきたのに、本当に私達付き合ってんの?って感じだった。」
「でも良かったよ。真美子別れて。」
「ひどい。実希なら励ましてくれると思ったのに〜。」
「だってさ、その人と付き合ってから真美子の愚痴すっごい増えたもん。本当は最初から不安だったの。」
「本当に?」
「ほんと。ほんと。会うたびに怖い顔しながらその人の話してさ。私その人の良いところ一個も知らないもん。」
「全然長続きしなかったなー。」
「やっぱり長続きするには、真美子が楽しくないとね。比較的長続きする人は真美子いつも笑顔で楽しそうだもん。」
「そんなことまでわかるの?やっぱ実希すごいわ。そういうとこまで見てくれてて。」
「当たり前じゃん。真美子分かりやすいもん。」
実希は大学からの友達でお互いになんでも話せる関係。
彼女は私のことを本当によく分かってくれる。
私が自分で気づいてない事を言葉にしてくれるので、迷った時はいつも実希に話してみると、自分の気持ちややりたい事がはっきりするので本当にすごい。
「素敵な出会いとかないのかな?」
「そう簡単にはないでしょー。」
「おう!何やってんの?」
後ろから声をかけられ振り返る。
「なぁんだ和樹か。」
「なぁんだってなんだよ。いいだろおれでも。」
「あ。こちら大学の時の友達の実希。こっちは幼稚園の時からの腐れ縁の和樹。」
「腐れ縁ってなんだよ!冷たいな。また今度飲み行こうな。邪魔してごめん。」
「またねー。」
私達とは逆方向に和樹が去っていく。
「カズキ君って真美子の家の近くに住んでるあのカズキ君?」
「そうそう。元々小さい時から家が近所でさ、社会人になって一人暮らしでもたまたま近くになっちゃって、たまに飲み行ったりするの。」
「え。それってすごくない?そういうのって素敵な出会いとかじゃないのかな?なんか雰囲気も良かったけどなぁ。」
「ないない。確かに幼なじみでそういう関係だったらドラマみたいで素敵だけどないよ。なんでそう思ったの?」
「だって真美子今もさっきも、見たことないくらい笑顔だったよ」
〜おわり〜