シテントル やまが

松竹芸能。お笑いトリオ。芸人。気になった事やイラついた事などを吐き出して、マウントをとりにいきます。日記みたいな。ショートショートらしきものも書きたいです。

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マガジン

  • ショートショート

    ショートショートらしきものを書いてます。後味悪いでしょ。気持ち悪いでしょ。気味悪いでしょ。

最近の記事

#19 ショートショートらしきもの「マッチングアプリ」

「あ。いた!ミクさんですか?」 「・・・・はい。タカユキさん?」 プロフィール写真よりも、目鼻立ちがハッキリとした自分好みのイケメンが目の前に現れ、かなり驚いた。印象がほとんど違ったが、良い方に違うのは大歓迎だ。 「あーよかったー。ミクさん来てくれなかったらどうしようかと思いました。」 「ドタキャンされたことあるんですか?」 「ぼくはミクさんが初めてなんで無いですけど、友達がけっこうみんなやられてて。」 「アプリだとそういう人も多いんですね。」 私たちは流行りの

    • #18 ショートショートらしきもの「契約」

      ガンッ 「いっっって!!ふざけんなよ!!なんで朝から小指ぶつけなきゃなんないんだよ!あーーもう!!ぜんっっぶあのクソ上司のせいだ!!!」 ピンポーン 「この時間から誰なんだよ。」 ピンポーン ピンポンピンポンピンポーン 「うわ。うるせーな!」 ガチャッ 「はい?」 「あなたを助けに来ました。」 「え?どちら様ですか?」 「死神です。」 「は?」 「お困りのようでしたので助けに参りました。」 「いや。宗教とか興味ないんで。すみません。」 「宗教では

      • #17ショートショートらしきもの「監禁」

        「助けてくれ!お願いだ。命だけは。」 ドンッ 「ぐわぁ!!・・・なんで」 「おじさん、ごめんね。命だけはって言ったから、足は撃ってもいいかなって。」 「ふざけんな!どうしてこんなことするんだ!」 「作品だよ。おじさんにはぼくの作品の一部になってもらうんだ。」 「人の命をなんだと思ってるんだ!」 ドンッ 「ぐわぁ!!」 「おじさんなら分かってくれると思うんだけどなぁ。」 「分かった!俺が悪かった!お願いだからもう撃たないでくれ!」 「そんなに生きたいんだ。

        • #16ショートショートらしきもの「映画」

          「なんか飲む?コーヒーでいい?」 「ありがと。いやー。あんなにリアルで重たい映画だと思わなかったよ。おれ結構グサっときたなー。とくに倦怠期の部分とか。」 「ちょっとそれ彼女の前で言う?私は倦怠期なんて無いと思ってますけど。」 「ごめんごめん。別にそういうことじゃなくてさ。もっとキラキラした恋愛映画だと思ってたから。」 「私は原作知ってたから驚かなかったけど。言ったでしょ?カップルで一緒に観ない方がいいかもよって。」 「まさかこういう話とは思わないじゃん。なんとなく最

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          19本

        記事

          #15ショートショートらしきもの「野次馬」

          「うわぁ。すげぇ燃えてる。」 「すごいですよね。通報から30分近く経ってるんですよ。」 「え!そんなに経ってるのにまだ燃えてるんですね。」 「今燃えてる家は通報があった家の隣なんですよ。最初は奥の岡田さん家が出火元なんです。ここよくとおるんですか?」 「そうなんですよ。この道真っ直ぐ行ったとこが家でして。しかし隣の家の人はまさに災難ですね。」 「そうですよね。ちなみに岡田さんの息子が放火したって。」 「え!放火?その息子さんは?」 「まだ捕まってないんですよ。リ

          #15ショートショートらしきもの「野次馬」

          #14ショートショートらしきもの「コレクション」

          「おじゃましまーす。」 「おじゃまされまーす。手洗いうがいしてね。」 「わかった。先、荷物置かせて。え。」 「ソファの上置いちゃっていいよ。どうしたの?あぁこれ?」 「す、すごいね。壁一面。これ全部虫の標本?」 「そうなの。ちっちゃい時から虫が好きで、コレクションしてるんだ。彼女の趣味が標本ってひくよね。でも今日はちゃんとみてもらおうと思って。」 「いやいや。ひきはしないけど、びっくりした。珍しいね女の子で虫って。」 「そのせいで昔から友達がいなくて。女の子から

          #14ショートショートらしきもの「コレクション」

          #13 ショートショートらしきもの「後悔」

          こうなるくらいなら。 彼女のクルミに抱えられ、薄れゆく意識の中、後悔だけが鮮明に思い出される。 初めは些細な喧嘩だった。俺が脱ぎっぱなしの靴下をクルミが注意した。 「なんで脱いだらすぐ洗濯カゴに入れないの?きったない。」 その「きったない。」が無性に腹が立った。汚い。ではなく「きったない。」という言い方に。 「は?お前だって使った美容パックその辺に置きっぱなしだろ。」 「それはたまたま忘れてただけでしょ。てか、お前って誰にいってんの?」 「お前だよ。お!ま!え!俺

          #13 ショートショートらしきもの「後悔」

          公園

          コロナ禍になってから公園の利用者が増えているような気がします。いつも同じ時間に通る公園も賑わい度が増しています。 自粛で家にいることが多くなり、少しでも体を動かさないと!ということなのか、それとも公園のようなひらけた場所なら友達に会っても大丈夫だろうということなのか。 ぼくも実際に散歩や小学生の弟と公園で遊んだりと利用率が増えました。その公園は割と大きなグラウンドがあり、夏にはお祭りで屋台がたくさん出ます。 その日も散歩をしていたらグラウンドで子連れのお父さんが遊んでい

          #12 ショートショートらしきもの「事故」

          カズキはいいやつだった。 キャンプ場に高く積まれた薪が崩れてその下敷きになった。すぐに病院へ搬送された。 カズキはいいやつだった。 面倒な事を自らやってくれていた。 あの時も焚き火用の薪を取りに行ってくれた。 キャンプ場の受付で入場料の支払いをする時に。 カズキはいいやつだった。 誰にでもフランクに接していた。 初めていく居酒屋の店員にも「とりあえず生。早く持ってきて。」と。 カズキはいいやつだった。 空気を読むのがうまかった。 キャンプの集合時間に2時間遅刻し

          #12 ショートショートらしきもの「事故」

          #11 ショートショートらしきもの「女神」

          「あれ?タケルこのノートなに?」 「あ!それダメ!」 「いいもん見つけちゃった〜。彼女に隠し事はいけませんよ〜。」 「ダメだって。」 「どれどれ、『今日ぼくは素敵な人と出会った。講義に遅れて入ってきた彼女をひと目みた瞬間に、ぼくのものにしたいと思った。』なにこれ小説?」 「いや、そういう事じゃ無いんだけどさ。恥ずかしいからもうやめてよ。」 「いいじゃん。ちょっと読ませてよ。」 『綺麗な黒髪をもつぼくの女神は、その場にいるだけで周りの人達を明るくする。どうしても女

          #11 ショートショートらしきもの「女神」

          #10 ショートショートらしきもの「ホテルで朝食を」

          危ない。時間ギリギリセーフだ。 ここのホテルのカフェのモーニングはかなり美味いらしい。同期の佐々木が出張で、たまたま泊まったホテルで、朝食を食べてから会社内に噂が広がっている。 それからこの周辺に出張に行く人間は、別のホテルに泊まっていたとしてもわざわざここに来るらしい。 ちょっといいホテルなので普段は泊まれないが、時期的に安いホテルが満室であったため、たまたまここに泊まれた。 それなのに、昨日遅くまで資料を作っていたせいで寝坊してしまった。 せっかくの美味しい朝食を急

          #10 ショートショートらしきもの「ホテルで朝食を」

          #9ショートショートらしきもの「最終面接」

          このロビーにいる人間はどいつもこいつも自信のあるような顔つきをしている。 この面接に受かるのはたった一握りなのに。 まあ大手企業の最終面接まで来ているのだから、それだけでもかなり自信がつくのも分かる。 あそこのイスに座ってる男はすごいな。 受かってもないのに、同じ立場の就活生を何人も周りにつけて、仕事とは何なのか熱弁してやがる。 バイト以外で働いた事なんて無いくせに。 こういう待ち時間も面接に含まれるのは知らないのか? あいつは落ちたな。 あそこの女はやけに派手だな。

          #9ショートショートらしきもの「最終面接」

          #8ショートショートらしきもの「プロポーズ大作戦」

          私には付き合って5年の彼氏がいる。 いつでも私のことを1番に考えてくれていて、何をするにも私を優先させてくれる。 周りには羨ましく思う人が多いようで、親友には「そんな男どこ探しても他にいないから、絶対に離しちゃダメだよ。」としつこく言われる。 見た目は一般的にはイケメンという訳ではないが、鼻筋が通っていて、背も高く、スリムで、かなり私好みだ。彼の良いところはなんといってもその優しい性格。気づかいができて、私の知らない私のこともわかってくれていて驚くくらいだ。 でもそれと同

          #8ショートショートらしきもの「プロポーズ大作戦」

          #7ショートショートらしきもの「ウソ」

          朝起きると彼女の体調が悪いのに気づいた。朝ごはんを作ろうと台所に向かう彼女の足元が一瞬ふらついたのだ。ここ最近体調を崩しやすい彼女であったが、足元がフラついたのは初めてだったので心配になった。 「大丈夫?」 「大丈夫だよ。」 口角を少しだけあげた笑顔で彼女は言った。 「体調悪いでしょ。今日は絶対に仕事休みなさい。この間も休んでって言ったのに隠れて仕事行ってたでしょ。」 「あれ。バレてた?今日は大丈夫だって。そんなにひどくないし。でもなんで分かったの?」 「付き合っ

          #7ショートショートらしきもの「ウソ」

          #6ショートショートらしきもの「弟」

          「ケン、散歩の時間だよ。」 そう声をかけるがケンは何やら悲しそうな表情でこちらを見るだけだ。 ここ最近、ケンの元気が無くなってきた。 少し前まで、声をかけるとすぐに寄ってきてほっぺたをスリスリとしてきたのに。原因はなんとなく分かっている。 ケンがこの家にやってきたのは僕が1歳の時。 まるで本当の兄弟のように一緒に大きくなってきた。ケンがウチにやってきてから10年、遊ぶ時も寝る時もいつも一緒だった。 ケンが好きな遊びはボール遊びやフリスビーではなく、単純な追いかけっこだ

          #6ショートショートらしきもの「弟」

          #5ショートショートらしきもの「言い間違い」

          「あ。ごめん。起こしちゃった?」 彼女がベッドに腰掛けて服を着ながら言った。 最近残業続きで疲れていたからか、眠ってしまったようだ。 「いや。大丈夫。ユカリちゃんもう行くの?」 「は?ユカリって誰?私アカリなんだけど。」 一瞬何が起きたのか分からなかった。 彼女の普段の声とはちがう、明らかに不機嫌な声で眠気が覚める。 何か言葉を発しなければいけない。謝ったほうがいいのか?しらを切るか? 「え?ユカリ?聴き間違えじゃないの?」 「いいや。絶対にユカリちゃんって言った

          #5ショートショートらしきもの「言い間違い」