おはようってなぁに?
朝、いつものように
ベッドで目を覚ました
認知症の母に
「おはよう」と声をかけると
「おはようってなぁに?」
と尋ねられた
母はたびたび
自分がどこにいて
何をしているのか
わからなくなったり
はたまた
自分が誰なのか
わからなくなったり
挙句の果てには
ある日、年齢を尋ねてみると
6歳と答えることもあったが
そんな状態の母にとって
「おはよう」が分からなくても
全く不思議ではない
母の「おはようってなぁに?」
を微笑ましく感じた私は
「おはようって何だろうね?」
「おはようは、おはようだよ」
「おぱよぉ~」、とか
おどけて答えると
ちょっと不思議そうに
きょとんとした顔をする
そんな無邪気な母の反応に
私の心は和まされていた