風合いのはなし
2018, 03, 03 Taka
ただいま神戸に向けて300キロで移動中。
今年度の移動距離をマイルにしたらどれくらいあっただろう・・・
先日、ユカリとある講演に行ってきたはなし。
滋賀県立大学に生活デザイン学科という
なかなかトガった学科があるとはそこいらで聞いていた。
森下あおい先生。
その学科を率いる教授のひとりだ。
なんと森下先生はファッション専攻であり、滋賀の三大生地(湖北の浜ちりめん・湖東の麻・湖西の縮)を学生たちと研究している。
どうしても会いたくて(と言うのはユカリ談)行ってきた。
ノートがグッチャグチャになるほど二人でペンを走らせる。
その中でも頭に残ったことばがある。
風合い。
職人仕事とファッションインダストリーという両極を見てきた森下先生は
◯◯風ということばがある。この意味を考えて見ましょう。と言う。
それは数値では決して測れない、職人のさじ加減、
つまり風合いの意味なのです。滋賀の生地には風合いがある。
これは糸を撚ったりしていく長い工程の中で、
決して機械化できない職人が手仕事で作り出していくものです。
森下先生は俺たちに畳み掛ける。
(もちろん他にもたくさん聴衆はいる)
日本にはたくさんの色の名前がありますよね。
なぜだかわかりますか?
それは四季が豊かなおかげで、日本人の色彩感覚が磨かれたからです。
では、肌感覚はどうでしょうか?
和装とは体のラインに合うように作られています。
洋服はそれとは逆で、ボリュームを出す。
つまり、和装は肌触りが良くなくてはいけない。
絹や麻を使い、肌触りが良いのはこのためです。
時代は変わり、和装より洋服へ見につけるものが変わったことで、
優れていた肌感覚は鈍くなってるかもしれませんね。
風合いというのは、肌触りが良い、色が良い、
そんな時に感じるものなのです。
なるほどーーーーーーーーー!!!!!
先生すごい!
風合いを考えたことなんてなかった!!
目に見えない風合いをことばにした!!!
静かだった講堂を後にし、ユカリとの第一声が偶然にもこのはなしだった。
この風合いのはなし、どれくらいの人が響くだろうか。
みんながデートかなんかで服を買いに行くとき、
「いや〜風合いがさ・・・」
なんてはなしをしながら選ぶ、そんな未来は日本人としてステキだな、
と思った。
ただいま岐阜羽島を通過中。