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気がつけば宇宙の話題が多くなってきた(金沢工業大学、国際高専)

勤め先の学校法人金沢工業大学は、金沢工業大学と国際高専という2つの高等教育機関を運営している。

昨年あたりから宇宙関係の話題が急に身近になってきた。

国際高専でいえば、JAXAに行きたいからと理数系を英語で学べる国際高専に進学してきた学生がいる。
日曜もロボット製作に没頭している。


中学のときから自ら設計・製作に携わってきたジュニア衛星が来年ISSから宇宙空間に放出されるという学生も現れた。スペースデブリ(宇宙ゴミ)に関する研究だ。


実は金沢工業大学でも研究が活発になっている。

以下は応用バイオ学科の辰巳教授が中心になって進めてきた研究プロジェクトの話題。
実証実験はISSで行われた。
↓↓


また直近で言えば、電気電子工学科の伊東教授は以下のプロジェクトの核心技術を担っている。


私自身、高校生には常々、こうした技術はコードレスイヤホンの充電だけでなく、将来的に宇宙空間や月面での太陽光発電での送受電実現を可能にするもの、と話し続けていたのだが、やっと大手を振って話ができるようになってきた。


さらに航空システム工学科の教授陣も宇宙関係が多くなってきた。

森合教授は三菱重工時代はH2やH2Aロケットのエンジンを開発してきた。航空関連で有名なスタンフォード大学大学院航空宇宙工学専攻も修了している。
現在は太陽系から4.3光年はなれたアルファケンタウリに宇宙船を飛ばすとしたらと、推進エンジンについて研究している。文字通り「ムーンショット」型研究と言えよう。

藤田講師は火星飛行機の実現に向けて,JAXAや他大学と協力しながら研究を進めている。この世界は遠いようで実はバイオミメティクスとよばれる生物模倣も重要なキーワードとなっている。

森吉助教は、学生の頃、JAXA宇宙科学研究所で火星探査用のパラグライダ実現に関する研究を行ってきた。火星飛行探査実現に向けて翼の改良や飛行特性の研究を風洞実験やフライト実験をもとに行っている。


思えば1965年の金沢工大学園の建学精神には次のように高らかに宣言されている。

進んで将来は、現代アメリカの科学技術の聖地ともいうべきマサチューセッツ工科大学の運営方針に学んで、日本の宇宙開発より産業社会学に至るまで、最高水準を誇る第一流の学園たらしめんとする大志を実現して、民主主義日本の学界に偉大な栄光を捧げんとするものであります。

学校法人金沢工業大学建学綱領 昭和40(1965)年2月

今から60年前に宣言された学園の精神が具現化され、共鳴する学生たちが集まってくる。

創設当時の方々の情熱というか、先見の明というのは実に驚くべきものがあると言えよう。

この精神が、有為な人材育成を目指す高等教育機関として無くてはならぬ方向性を示しているものなら、冒頭の見出しに書いた「気がつけば」は失礼な言い方だったかも知れない。

60年前にはすでにこうなることが予見されていた、ということだろう。

【追記】
今朝(2023年9月7日)うれしい速報がスマホの通知で届いた。日本初の月面着陸を目指す月探査機を搭載した「H2A」が午前8時42分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、成功したのだという。
「H2A」ロケット用のロケットエンジンの開発は航空システム工学科の森合教授が三菱重工時代、従事してきたものだ。

月がとても身近になってきた。

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