学外からのある電話。
一昨日(2024年9月13日)、学外の方からの電話で話し込んだ。
その方は、ネットを見て、金沢工業大学はランキングが高いという話題に対して「金沢工業大学はやばい」「地元からは受けない」「偏差値が低い」という誹謗中傷が書かれてあったので、電話したのだという。
その方は周りには金沢工業大学を薦めているのだそうだ。何故そんなふうに書かれるのか?という電話だった。
私の説明の要点は以下の3つだ。
1)「偏差値が低い」はレベルが低いと同意語か?
偏差値とは模擬試験の点数をもとに、全国の受験生を追跡調査し、一般入試でのある大学の合格率が50%(河合塾の全統模試の場合)だった偏差値を入試難易度として出しているもの。
たとえばある大学が72の場合、偏差値の性質から、72あたりの学生が多いことになるが、たとえば偏差値40の大学は40の学生だけがいる、という意味ではない。偏差値折れ線グラフの右側に50、60の学生も多くいるのである。
金沢工業大学の学生のほとんどは国立併願。実際は優秀な学生が多い。仮に不本意で入学したとしても、例えば自分が作ったロボットが実際に動く姿に感動して、学びに意欲的になる、といったケースが多い。
特に富山県では、金沢工業大学の建築に合格し、国立大学標準額で学べる特別奨学生にもなったので、国立を辞退して金沢工業大学に進学、ということはまったく珍しくない
そして金沢大学工学部長をされた後に金沢工業大学の第2代学長に就任した京藤先生の読売新聞インタビューの言葉をご紹介した。
"金沢工業大学の学生の実力は卒業時には金沢大学の学生と変わらない。「一生懸命勉強すればできるようになるんですよ、大学の評価は付加価値で決まるのであって、入学した時の点数で決めるもんじゃない」(読売新聞 1977年7月6日全国)"
これが今日の金沢工業大学の原点であることをお伝えした。
2)地元からは受けない?
金沢工業大学の学生は7割が県外出身者、3割が県内出身者ということを指して、書き込みでは、地元では人気が無い、地元からは受けない、と言っているらしい。
だが、実際は違う。今年の石川県からの入学者は405名。石川県の高校生の大学進学者数は5000人。石川県の高校生の約12人に1人は金沢工業大学に進学しているのである。
しかも金沢工業大学受験者は県内進学校が多い。
※脱線するが、富山の御三家は探究2、普通4クラスの計6クラス、240名。これに対して石川県金沢市内の進学校はいずれも定員規模が360から400名と巨大。逆ピラミッド型になっている。
3)そもそも偏差値で大学の評価はできるのか?
東北大学が一般入試廃止表明をする時代に、偏差値だけで大学のレベルの高い低いが言えるのか。