凱旋門賞 導入
導入
2021年10月3日フランス、パリロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われる。
そこに向けて情報の整理をするための記事。
凱旋門賞について
競馬場 :フランス・パリロンシャン競馬場
芝/ダ : 芝
距離 : 2400m
馬齢 :3歳以上(牡馬/牝馬のみ)
フルゲート :20頭
負担重量:古馬:牡59.5kg, 牝58kg, 3歳:牡56.5kg, 牝55kg
開催日 :毎年10月第1日曜日
賞金 :総賞金500万ユーロ, 1着賞金285万7000ユーロ
今年で100回を迎える。
過去27頭の日本馬が挑戦し、勝ちは無し。
最高着順はオルフェーヴルとナカヤマフェスタの2着。
今年はクロノジェネシス(5才牝馬, 斉藤崇厩舎)とディープボンド(4才牡馬, 大久保龍厩舎)が挑戦する。
ロンシャン芝2400mについて
右回りのコース
400m平坦(直線)→600mの上り坂(直線)→3角600m下り坂(10m下る)→250mのフォルスストレート(ここもちょい下り)→500m超えの直線
大体こんな感じ。
高低差は10mある。
これは日本の競馬場の最大高低差の2倍(中山競馬場5.3m)
芝はもちろん洋芝(ペレニアルライグラス)
丈はある記事では9センチとある。東京競馬場は10~12cm。
地下茎の密度が日本の野芝より高い
路盤は自然の状態を活かすようになっており、保水性も高い。
日本の競馬場は水はけを重視、地下に砕石が敷き詰められている。
その為、ロンシャン(及び欧州)の競馬場のほうが蹄が沈みやすい馬場となっている。
上記の馬場が影響してか、レースレコードとしては2分24秒49という日本の東京競馬場とも近い時計がでる一方で、道悪で2分30秒台、不良馬場だと2分40秒近くと、良馬場時と道悪時で10秒以上も時計に差が出ることもある。
ちなみに、2013, 2014年で連覇したトレヴは、2013年に重馬場を2分32秒04、2014年には2分26秒0で勝っている。
今年の出走馬
08.モジョスター(牡3、英・R.ハノン、R.ライアン)
11.ハリケーンレーン(牡3、英・C.アップルビー、J.ドイル)
04.タルナワ(牝5、愛・D.ウェルド、C.スミヨン)
05.ラブ(牝4、愛・A.オブライエン、L.デットーリ)
02.ディープボンド(牡4、栗東・大久保龍志、M.バルザローナ)
14.バブルギフト(牡3、仏・M.デルザングル、G.モッセ)
03.ブルーム(牡5、愛・A.オブライエン、武豊)
13.アレンカー(牡3、英・W.ハガス、T.マーカンド)
15.スノーフォール(牝3、愛・A.オブライエン、R.ムーア)
12.シリウェイ(牡3、仏・C.ロッシ、F.ブロンデル)
10.アダイヤー(牡3、英・C.アップルビー、W.ビュイック)
01.トルカータータッソ(牡4、独・M.ヴァイス、R.ピーチュレク)
09.ベイビーライダー(牡3、仏・P.バリー、I.メンディザバル)
07.クロノジェネシス(牝5、栗東・斉藤崇史、O.マ時でィー)
06.ラービアー(牝4、仏・JC.ルジェ、C.デムーロ)
過去の凱旋門賞データ
■馬齢別成績
過去10年
牡3 (1, 1, 4, 42) 平均着順9.854
牡4 (1, 4, 3, 34) 平均着順9.023
牡5 (1, 2, 1, 19) 平均着順8.609
牡6以上 (0, 0, 0, 8 ) 平均着順11.75
牝3 (3, 2, 1, 14) 平均着順7.000
牝4 (4, 0, 1, 9 ) 平均着順7.286
牝5 (0, 1, 0, 5 ) 平均着順10.00
牝6以上 (0, 0, 0, 3 ) 平均着順6.000
まずは出走頭数は少ないが6歳以上は馬券に絡んでいない。
また、牝馬は5歳以上で勝った馬がいない。これに関しては過去50年、一度も5歳以上の牝馬が勝った歴史がない。トレヴやエネイブルなどの3連覇を目指した馬が負けた年齢が5歳で、おそらくピークアウトが原因に思える。その為積極的に牝馬を買うなら斤量の恩恵がある3歳、能力のピークを迎える4歳。3歳4歳の牝馬は無条件で買ってもいい気がする。
逆に5歳の牡馬は牡馬では最も信頼できるまである。ちなみに牡5の馬券に絡んだ馬はリピーターといえる馬しかいない(オルフェーヴル、フリントシャー、クロスオブスターズ、ヴァルトガイスト)
■前走競争
過去10年の1,2,3着馬の前走競争
(年, 本番着順, 馬名, 馬齢, 前走距離, 前走クラス, 前走名, 前走着順)
5年づつで見ると、複数回馬券になっているのは
前半5年間
ヴェルメイユ賞 (3, 1, 0)
愛チャンピオンS (1, 0, 1)
フォワ賞 (0, 3, 0)
後半5年間
愛チャンピオンS (2, 1, 0)
フォワ賞 (1, 1, 1)
ヨークシャーオークス (1, 2, 0)
凱旋門賞の前哨戦として行われるヴェルメイユ賞、フォワ賞が2回以上馬券になっている。
2011-2015年のあいだで4連対しているヴェルメイユ賞は2016年以降1回も馬券に絡んでいない。ただ、そもそも2016年以降2頭しかヴェルメイユ賞からは出走していない点は注意したい。
今年のヴェルメイユ賞組は2着のスノーフォールのみ
フォワ賞はコンスタントに馬券に絡んできている。ただフォワ賞組全体の凱旋門賞成績は過去10年(1,4,1,25)で平均着順は9.26と高くない。馬券に絡んだ馬を見ると、2012, 2013年オルフェーヴル、2014年フリントシャー、2017,2018年クロスオブスターズ、2019年ヴァルトガイストの4頭である。ヴァルトガイストは前年もフォワ賞を使ってから出走し、4着と好走している。
フリントシャーは2013年の3歳時にニエル賞を使って凱旋門賞初出走(8着)。その後4歳フォワ賞、5歳ソードダンサーSを使ってともに凱旋門賞で2着になっている。
フォワ賞組で4歳時に凱旋門賞に掲示板に入った際は次年以降リピーターとなっているように思える。
逆に、フォワ賞で好走するも凱旋門賞で好走できなかった馬は、次年度以降も期待できないと考えて良さそう。
今年のフォワ賞組はディープボンド、ブルーム。2頭ともに初フォワ賞、初凱旋門賞。
愛チャンピオンSもコンスタントに馬券に絡んできているが、ここで特出すべき点は平均着順。過去10年の全体の成績は(3,1,1,10)で平均着順が5.6。2桁着順が2012年セントニコラスアピー、2014アルカジームの2頭のみである。
今年の愛チャンピオンS組はタルナワのみ。
ヨークシャーオークスは出走した4頭が全て馬券に絡んでいる。(エネイブルが2回のため3頭)
今年はヨークシャーオークス組はいないが、今年スノーフォールがヨークシャーオークスを勝っている。
■距離延長・短縮・同距離別成績
<過去10年>距離延長 (3, 1, 4, 36) 平均着順8.772
距離短縮 (0, 0, 2, 18) 平均着順7.611
同距離 (7, 9, 4, 70) 平均着順8.622
<過去5年>
距離延長 (2, 1, 2, 19) 平均着順8.042
距離短縮 (0, 0, 1, 11) 平均着順7.917
同距離 (3, 4, 2, 31) 平均着順8.825
出走数の違いはあるものの距離短縮組が圧倒的に劣勢。
今年はラービアー、モジョスター、ハリケーンレーンがこれに該当。
血統
馬券に絡んだ馬の血統を見ていく。
<勝ち馬>
<2着馬>
<3着馬>
※Shirley HeightsがShirly Heightsになってます。
父だけ見るなら圧倒的Sadler's Wellsである
凱旋門賞の血統について調べるとGalileoよく言われているが、ファウンドとヴァルトガイストGalileo産駒として勝っており、他は2, 3着が多い印象。
デインヒルやCape Crossを経由したDanzigのラインも注目である。
他にカギとなりそうなのは、Mill Reefか。
凱旋門賞はタフでありながらも長い直線に向けて溜めて、直線で伸びる決め手が大事な競馬になりやすい。Sadler’s wellsは消耗戦に強くイギリス的な競馬に相性がよい。それに対して、Mill Reefは長くいい脚を使い、長い直線での決め手勝負に向いた特徴を持つ。Shirley Heightsを持った馬が多く好走しているのは、そういう背景からだと思われる。
また、長く良い脚を使うというところでは、MiswakiやSir Gaylordなども該当する。MiswakiはGalileoやSea The Starsの母Urban Seaの父なので、そこを経由して持っている馬、Sir GaylordはHabitatを経由して持っている馬が好走馬に見られる。