【50歳からの転職】日系 vs 外資、キャリア形成と雇用の不安の違い
まず、簡単に私の経歴をお話しします。
新卒でコテコテ日系企業に入社し、その後、外資系企業で20年以上働き、50歳を過ぎて現在は日系企業に勤務しています。
転職して数ヶ月が経ちましたが、長く外資系のカルチャーに慣れていた私にとって、驚くことばかりです。
前回は、「カルチャーギャップ」について書きました
今回は、同僚と話していて感じたのが「キャリア形成」と「雇用の不安」についての違いでした。
結論としては、「どっちが良いか」は人それぞれで、「本人の好み」と言わざるを得ません。外資系ではキャリアは自己責任、日系では会社から作られるものという印象を受けています。これは雇用の不安とも関連していると思います。
外資系企業で感じたこと
外資系では常に「キャリアは自分で作るもの」という意識を求められていました。会社からも「キャリアを築くのは自分自身で、会社はサポート役」というメッセージが常に発信されていました。社内の異動制度も充実していて、成長を感じなくなったり、今の役割が合わないと感じたら、別の部署に異動することができました。それでもしっくりこなければ、転職することも視野に入ります。
常に「自分の市場価値=この会社を離れてもやっていけるスキル」が身についているかを意識せざるを得ませんでした。
同時に、パフォーマンスが低ければ解雇されるリスクも常に頭にありました。自己成長は必須で、ゴール達成を求められる環境です。
現状維持は成長の停滞と見なされ、「評価されない人」とされることもありました。
さらに、会社の戦略変更で部署がなくなり、どれだけ優秀な社員でも解雇されることがありました。こういった不安は新卒社員にも例外なくあり、「どう生き残るか」「どうパフォーマンスを出すか」と悩む姿をよく見かけました。そのため、短期的な視野に陥り、「今すぐ結果を出さなければ」と焦って対応が雑になることも珍しくありません。個人的には、若手社員にはそんな不安にとらわれずに仕事に集中してほしいと感じていました。
日系企業で感じていること
一方で、日系企業では「キャリアは自分で考えるものではなく、会社が与えてくれるもの」と考える人が多いように感じます(もちろん個人差はありますが)。キャリア形成やスキルアップも、人事や経営からの指示で動くことが多く、自発的というよりは受動的な印象です。
その反面、解雇の不安はあまり感じられません。会社が急に「不要」と判断して解雇されることは少なく、安心してじっくりと仕事や顧客対応に取り組むことができます。周りを蹴落とす必要もなく、協力的な雰囲気を感じます。もちろん、アピールのために他を出し抜こうとする場面もあるかもしれませんが、解雇と直結するわけではありません。
スキル向上も「会社が求めるから」という受け身な側面が強く、今のポジションで成果を出している限り、積極的なスキルアップや新たなチャレンジへの意識は低めです。
日系企業では「キャリアは会社に作られるもの」という考えがベースにあるのかもしれません。
日本では労働人口の減少を背景に、外資系も日系も少しずつ変わりつつあります。外資系企業は社員の満足度を重視して、優秀な人材を長く雇用しようとしていますし、日系企業も異動に関して社員の意思を尊重し始めています。副業の許可などで仕事外での経験を本業に生かす取り組みも見られます。
キャリアとは誰のものなのか。
日本も海外のように雇用の流動性が高い方がいいのか、それとも安定志向の日本人には低い方が合っているのか。
今回は触れませんでしたが、このテーマは給与や待遇面とも深く関係していると思います。そこも感じていることがあるので機会があれば別記事で書きます
あなたは、自分のキャリアをどう考えていますか
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