【50歳からの転職】日系 vs 外資、過去に経験した外資に転職した時のショック:個人商店
まず、簡単に私の経歴をお話しします。
私は新卒でコテコテの日系企業に入社し、その後、外資系企業で20年以上働きました。そして、50歳を過ぎて転職し、現在は日系企業で勤務しています。
今回も、20代で「日系→外資系」に転職した際に感じたカルチャーショックについて書きたいと思います。今日の内容は今の外資系でもあまり変わってないと思います。
今回は、「外資は個人商店」というテーマです。
外資系は個人商店、「役割と責任」
外資系に転職したとき、私は「外資系は、それぞれが自身の専門性やキャラクターを活かして仕事をしている個人商店の集まりのようだ」と感じました。
一方、日系企業では「組織」で動くことが多く、一つの仕事を役割分担して進めていました。もちろん、外資系でもチームで動くことはありましたが、それは組織をまたいだ「バーチャルチーム」が中心でした。その中で、一人一人の役割が明確に定められていました。
「役割と責任(Role and Responsibility)」が非常に重視されていました。
そもそも外資系では、採用の時点から「ジョブディスクリプション(JD)」が明確でした。そのポジションに期待される成果や役割が文書化されており、入社時には自分が何を求められているのかが明確にわかりました。
一方で、日系企業は仕事を皆で進めるという印象があります。年功序列をベースに、年齢や経験によって仕事の内容が割り振られていました。例えば、難しい仕事のまとめ役はベテランに任され、若手には単純なタスクが割り当てられるといった具合です。プロジェクト内での役割分担もあいまいで、会議の中で「なんとなく」タスクをやる人が決まることも多かったように思います。そのため、進捗確認やレビューの会議が多く、「会議をすること自体が仕事」と思っている人も多かった印象です。
外資系のシビアさ
外資系では、「自分は何が得意なのか」「自分の売りは何か」を発揮できないと生き残れないシビアな環境でした。結果にコミットする文化が根付いており、結果を出せなければ「ローパフォーマー」として、PIP(Performance Improvement Plan=業績改善計画)に入ることになります。その後、改善が見られなければ異動、場合によっては退職に追い込まれることもありました。
年齢や過去の経験に関係なく、求められるのは「役割(Role)」のパフォーマンスでした。みんなが必死に結果を出すことに注力しており、常に「オーナーシップ」を明確にされていました。「誰が」「どのタスク」に責任を持つのかが明確に決められ、それに基づいて仕事が進められていました。また、人事評価では、自分の役割に対してどのような結果を出したのかを説明する(Accountability)ことが求められました。最初はこれが非常に難しく感じました。
個人商店の良し悪し
「個人商店」には悪い面もあります。例えば、アピール合戦になり、悪意を持つ人が他人の成果を横取りすることもありました。これを私たちは「それオレ詐欺」(=その成果は俺がやったとウソ)と呼んでいました。
日系企業のチームで仕事を進めるスタイルは、日本人の気質に合っているように思いますが、責任が明確でないことが多いです。一方で、外資系の個人商店的な働き方や役割分担はスマートに見えますが、そこには「三遊間に落ちる球」のような問題も多く存在していました。つまり、誰も手を出さないタスクが発生し、それを拾った人が損をするケースもあります。
どちらの働き方が自分に合っている?
どちらの働き方にも良し悪しがあり、合う・合わないは人それぞれだと思います。
あなたは、どちらの働き方が自分に合っていると思いますか