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【教育】夢を持てない子たちにしたWish授業

10年以上前に、友人から紹介されて、女子中学生向けにボランティアで授業をしたことが今でも心に残っています。
今回はその授業について書きたいと思います。

相手は中学2年生、女子

気合いが入りました。
相手は企業人ではありません。
内容がつまらなかったらすぐに聞かなくなるだろうし、大人を斜めに見ている年代でもあります。

事前に先生方に聞くと、「夢を持てない、将来に何をしたらいいか分からない子が多い」というのが、悩み事のようでした。

期待されていた授業の内容としては、私の職業経験を紹介し、将来の職業のイメージをもってもらうことでした。

しかし、私はあらかじめ了解をもらい、まったく違う授業をして、生徒たちから多くの反応をもらったのでした。

授業の内容は「職業では無い夢(Wish)を考えてみよう」です。

まず、私は大人になってみて3つのことが大事だと思った、と伝えました

・Think
・Feel
・Wish

Think

自分の頭で考える重要性です。
学校では「正解」があるものについて、どのように考えたら行き着くかを教えてもらいます。しかし、仕事での多くは「正解」がありません。
そのため、自分の頭で考えてみることが大事だと伝えました。

なぜ勉強をしないといけないの?」と事前アンケートで、生徒から質問がありました。「学校の勉強」は、正解があるものを題材に考える練習で、「学歴とは社会を歩く際の靴みたいなもの」と伝えました。
「靴」の意味は、無くても歩き、走れるが、場合によっては特定の大会には出られないかも知れない。つまり、あった方が得になることがある。ただし、競争に優位になるかもしれないけど、履いてるだけでは勝てるか分からない。

Feel

これからもITはずっと進化していきます。日常にAIやロボットが出てきてもっと生活を豊かにしてくれるでしょう。しかしITには「感情」が無い。人生や仕事を共にする相手は人間。その相手の感情を「感じ」「共感」することが大事と伝えました。

Wish

これが一番伝えたかったことです。「願いを持とう」です。
大人達は、子供達に夢を欲しがります。しかし多くは職業です。
私は、職業だけに関わらない、他の人からどう思われても関係ない、自分の願いに気づいて欲しいと考えてました。もしかしたらそこから将来の仕事につながるかもしれません。
そして、こう伝えました「大人は夢ばかり聞いてくるでしょう。その時はその大人の夢を聞いてみてください。夢って若人たちだけのものでは無いはずです」

生徒達は笑いながら、うなずいてました(笑)

授業の最後に用意していた小さな白紙のカードを配りました。
生徒にお願いしました

「このカードに自分のWishを書いてみてください、誰にも見せなくていいです。私も聞きません。何個でもいいので書いてみてください」

みんな集中して考えて書いてくれていました。

サンプルとして、自由な発想をして欲しかったので私が紹介したWishはこちらです。(私が中学時代のWishを思い出して)

・一人暮らししたい
・世界一周旅行したい
・海外で働きたい
・彼女が欲しい
・ケーキを全部一人で食べたい(兄弟と取り合いだった)

あっという間に授業は終わりました。

後ろで見ていた先生は複雑な顔をしてました。
たぶん、期待されていた内容ではなかったのでしょう

ただ、生徒達は、みんな笑顔で互いに話をしてました。

数日後、授業後アンケートをもらいました

・今日作ったWishリストを宝物にしようと思います
仕事ではない夢を持ってもいいと思えました
・勉強する意味が少し分かった気がします

彼女たちの感想がうれしかったのを覚えています。
生徒達に伝わったようで、感動しました。
機会があれば、またこのように関わってみたいです。

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