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BizOpsは何者にもなれる~キャリアパス解説編~
みなさんこんにちは!
5月病なんて仕事の調子を落とす方も多い時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。
今回も、前回の記事に続いてBizOpsのキャリアについて解説していこうと思います。
前回の記事ではBizOpsのキャリアの可能性についての考察と、キャリアの可能性を広げるためにできることについてご紹介しました。
今回は、BizOpsのキャリアの可能性について、キャリアパスごとに深掘りしていきたいと思います。
BizOps×マネジメント=経営
まずは最もイメージしやすいキャリアパスから。
ものすごくシンプルにいうなら、
偉くなって会社や事業全体の生産性向上をミッションとして、様々な施策を発案/実現していく
というルートです。
基本的に、会社や事業はピラミッド構造となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716384005002-qKWtY3EIgr.jpg?width=1200)
言うまでもなく、それぞれの階層の人数は
現場メンバー>>中間管理職>>経営層
と上に登れば登るほど減っていきます。
多数の一般社員の中から、いかにして昇格して経営層まで登りつめるかこのキャリアパスにおける最重要ポイント。
昇格するには自部署の競争に勝ち抜き、さらに他部署と比べて自分の所属部署が事業貢献度が高いことを示し続ける必要があります。
「倍返しだ!」で大和田常務を引きずりおろし、騙し騙され、裏切られ…
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141419640/picture_pc_b70be7fc2bb37e1eb42862d30884aec5.png?width=1200)
TBS日曜劇場「半沢直樹」より
なんてドラマみたいなことは早々ないかもしれませんが(あるかもしれませんが)、
BizOpsで培った知識のほかにも、さまざまなことを学び/経験していかなければ、到底ピラミッドの頂点まで登りつめることはできません。
マネジメント論に関しては専門書に譲るので、この記事では割愛します。
しかしどちらにしても、このキャリアパスを歩むには非常に時間がかかるうえ、人間関係を良好にし、会社にパフォーマンスを認めさせ続ける必要があります。
職務内容的には、経営と最も相性のいいBizOps。
しかし前回の記事から繰り返しになりますが、パフォーマンスが計測しにくい。
事業数値に直結している部署と比較したら、わかりにくさは明白です。
会社に対して結果を示しにくい黒子のような存在であることを考えると、BizOps×マネジメント=経営は、最も近いようで最も遠いルートだと言えます。
BizOps×業務範囲拡張=BizOpsスペシャリスト
次に、BizOpsのスペシャリストを目指す道。
前回の記事でBizOpsはジェネラリスト的傾向が強いと書いていたのに、スペシャリスト?と思われる方もいるかもしれません。
ジェネラリストのスペシャリストを目指すのがこのルートです。
BizOpsを実際にやられているみなさんは、こんな領域の仕組み化を担当されることが多いのではないでしょうか?
マーケティング運用
インサイドセールス
フィールドセールス
契約/請求管理
カスタマーサクセス(サポート)
私は現在のところ、「BizOps=会社や事業全体のオペレーション設計やITを整備する役割」と定義しています。
ですから、「BizOps」という呼称の職務についている方であっても、実務的にはBizOpsに内包される職種に該当する方々が多い印象です。
RevOps
SalesOps
MOps
CSOps
ISOps
![](https://assets.st-note.com/img/1716385156354-bAt4BMgju3.png?width=1200)
簡単に歴史をちょっとさかのぼってみましょう。
1990年代に様々な要因により情報システムは集権管理に移行していきました。
2000年以降、ITが業務に入り込み必須のツールとなっていく中で、集権管理化したITを担当している情報システム部門では事業側の要請にだんだん応えられなくなっていきます。
これは、集中管理化においてITの利用目的が、統制やセキュリティに重きを置きがちだったことが大きな要因です。
さらに、事業側の業務との距離があるため業務への理解が不足しがちで、売上や利益に直結する形での価値提供が難しかったという背景事情もあります。
なので、事業側は売上や行動目標を管理するため、自分たちでITシステムを構築するようになりました。
独自に構築したシステムの保守・運用をしていくにあたり、事業側でITシステムやオペレーション設計を担当する職種としてBizOpsが登場しました。
詳しくは、ネクサフロー社 中村さんのnoteを参照してください。
時制を現在に戻すと、
インターネットを通じたサイバー攻撃に対する対処
PCの多様化
アカウント管理
現行のサーバの保守運用
etc...
情報システム部門の責任範囲がどんどん広がり続けています。
そうした状況下、情報システム部門はITやシステム面の専門家として、ガバナンスや働きやすさをミッションとする傾向に落ち着きつつあります。
その一方現場サイドから誕生したBizOpsは、現場とコミュニケーションを取りながら、現場が成果をあげられるようITとオペレーションを接続し、改善を繰り返していくことが重要な役割となっています。
「現場」というと、マーケやセールスなど事業サイドを想像しがちですが、バックオフィス(人事やコーポレート)も同じく「現場」です。
BizOpsは事業側だけを担当しないといけない!と決まっているわけではないのです。
なので、これまでより相対する「現場」の範囲を広げ、まさに「全体」のITやオペレーション設計に携わり、BizOpsのスペシャリストとしてスキルを上げ、経験値を増やしていく。
これも、BizOpsのキャリアパスの一つです。
BizOpsスペシャリストのキャリアを歩むようになると、オペレーション構築を任されるようになります。
今あるオペレーションを改善する/改革するのではなく、「経営判断された事柄をどうやって実務に落とし、実行するか」という視点で、全く新しいオペレーションを構築する業務に向き合っていくことになります。
例えば
「とある事業を買収した。
買収の目的を達成するために、既存の社内プロセスと接続し、買収事業の効率化を図っていきたい。
どうしたらいいか?」
といった抽象度で課題に向き合っていくのがBizOpsスペシャリストの仕事です。
BizOps×専門性深化=業務スペシャリスト
様々な業務に、広く浅く触れる機会の多いBizOps。
その中で実際に自分自身が
楽しい!
実際にやってみたい!
と思った業務に焦点を絞って、深掘りしていく。
これが、BizOps×現場=業務スペシャリストのキャリアパスです。
比較的イメージしやすいキャリアパスではないでしょうか?
例えば、マーケティングの運用に興味を持ったらやってみる。
Webリードや広告、展示会などなどリード獲得を比重においた業務のスペシャリスト、つまりはマーケティング運用のプロとなる。
マーケティング運用の力を身に着け、かつ仕組みも知っている=量も質も両面見れるスペシャリストとして、無くてはならない存在になれるのではないでしょうか?
営業の視点からしてみると、営業の力を身に着けることで仕組みの力を両面見れるスペシャリストになれる。
仕組みを知っているからこそ、自分自身や該当するチームの数字を即座に出して、仮説を立てて次に進めるようなPDCAを回せる人材になれます。
他にもインサイドセールスやカスタマーサクセスでも同様です。
とはいえ、各種の業務を実際に実施してみると奥深いものがあるので両方兼ね備えるには時間がかかるでしょう。
BizOpsスペシャリストと業務スペシャリストの違い
ここで、BizOpsスペシャリストと業務スペシャリストの違いについて簡単に解説しておこうと思います。
まず、これが現在の業務範囲だとします。
![](https://assets.st-note.com/img/1716384091111-YBhbALTbla.jpg?width=1200)
BizOps×業務拡張=BizOpsスペシャリストは厚みはそのままに、接触面積を広くしていくキャリアパス。
![](https://assets.st-note.com/img/1716384120986-wkbj1RqFyE.jpg?width=1200)
BizOps×現場=業務スペシャリストは接触面積はそのままに、厚みに傾斜をつけていくキャリアパス。
![](https://assets.st-note.com/img/1716384130311-jj8LTbSHmT.jpg?width=1200)
どちらの方向にキャリアを拡大させていくかによって、全く異なるキャリアの歩み方ができます。
BizOps×IT=ビジネスアーキテクト
最後にご紹介するのが、ビジネスアーキテクトへのキャリアパス。
BizOpsは業務の中で何らかのツールを基軸に業務を設計・改善するシーンが多く、業務のコアにITが深くかかわってきます。
なぜITを利用する必要があるのか?
これはデータを蓄積して事業や経営の判断を迅速に行い、事業効率を上げるためです。
昔ながらの紙やExcelでは集計に時間がかかり、迅速な意思決定がしづらくなる。
そこで、ITツールをAPIで接続し、横断型でデータを収集し、分析することで迅速に意思決定を促す役割が必要になりました。
各部署の生産性を高めるために業務を知り、各種データを集め、各ツールからデータをくみ上げ、可視化する。
事業全体を見える化した上で分析を行い、経営や事業にあるべき姿や課題を提言する。
この役割を担うのが、ビジネスアーキテクトです。
ビジネスアーキテクトの主要な役割としては以下の3つ:
システムやアプリケーション群のアーキテクチャを考え最適化していく
各システムやアプリケーション群からデータを収集するアーキテクチャを実現する
経営や事業が意思決定するためデータを可視化し、事業成長のスピードを上げる
![](https://assets.st-note.com/img/1716384148224-hhgKkc5ADk.jpg?width=1200)
利用しているツールの専門家
各ツールのプログラミングを理解し、深掘りしていくことも役割の一部として考えられなくはありませんが、事業会社において発展性が少ないです。
各ツールを極めていくとしたら、延長線上にあるのはコンサルティング会社やSIer、プラットフォーマーでのキャリア、つまり専門家です。
このキャリアパスを歩む上では、事業会社におけるキャリアを考えているのか、コンサルやSIerでのツールの専門家を目指したいのかの見極めも重要となってきます。
時間は有限。選択と集中、どのような方向性を思考するか?
上記に挙げたものだけが、BizOpsのキャリアパスではありません。
BizOpsはさまざまな可能性があります。
しかし、どの領域を進むにせよ、プロになるのは簡単な道のりではありません。
人間に与えられた時間は等しく1日24時間。
その中で、仕事に費やせる時間は決まっています。
現実問題、生きている中で全てをできるわけではありません。
自己研鑽や自分のための時間
家族との時間
生活するための必須な時間(風呂や着替えなど)
睡眠時間
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自分が人生の中で何にどれだけ時間を使いたいのかをはっきりさせれば、仕事や学習の時間・優先順位も自ずと定まってきます。
時間は有限であり、選択と集中が必要です。
どんなキャリアパスを歩むにせよ
自分にはどんな選択肢があるか
その選択肢の中からどれを選択するのか
今集中すべきことは何か
これを意識しておくことが、限りある時間を有効に使う大切な要素であることは間違いありません。
BizOpsのコミュニティ参加者募集中!
限りある時間を有効に使うには、先人たちの知恵、仲間のアドバイスが大いに役立ちます。
BizOpsのノウハウを発信・流通させ、コミュニティに参加した人が能動的に情報を取れる場となり、コミュニティメンバーの力も借りながら理解を深め、できることを増やせる場として、BizOpsのコミュニティを運営しています。
まだまだ形にするのはこれからですが、1つ1つ作り上げていく面白味を感じながらやっていきますので、ぜひ奮ってご参加ください!
直近開催のイベントは、募集開始1日で満員御礼となってしまいキャンセル待ちですが、今後コミュニティ主催でBizOpsによるBizOpsのためのさまざまな勉強会も開催していきます。
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それでは!また次の記事でお会いしましょう。