真っ白な世界を見て思うこと
多くの方がご存知かと思うが、北欧スウェーデンの冬はとても寒い。先日は北部で記録的な寒さ(−40℃越え)を記録したほどで、南部に住む私も今年の冬は結構寒い日が多いなぁと感じている。そのおかげか、−2、3℃くらいではそんなに寒くないかな、と感じるようになってきた。
そして寒波と共にやってくるのは、もちろん雪である。日本のような湿度がないため、ほとんどの雪はパウダースノーで降りたての雪では雪だるまは作れない。しかしウインタースポーツをするにはもってこいの雪、なんだろうなぁ〜、と娘とソリをするだけの私はぼんやり思っている。笑
晴れの日はそこらじゅうで光が反射してキラキラと光り、美しい光景が広がる。とは言ってももはや子供のように無邪気に雪を喜べるわけでもなく、足場の悪い中30分以上学校まで歩かなければならないことを考えると、ついため息が漏れてしまう。
どんよりとした空で雪がちらつく中とぼとぼ1人歩いていると、何でこんなところに来てしまったのか、と思うこともある。
全く同じ景色を見ていても、それがどう映るかはその人の心の状態に左右されるんだよな。夜明けの青みがかった雪景色を窓から見ながら唐突にそんなことを考えたのは、自身の心の状態があまり良くないと自覚しているからだ。この空のように私の心も灰色の雲に覆われている。
本来ならこの景色を美しいと感じていたはずなのに、という軽い絶望感と、そのことに気づけたのだからまだ私は腐っちゃいない、という安堵の気持ちが同時に生まれてくるのを感じながら、なんとか自分を奮い立たせる。
今は、雪の中ではしゃぐ娘にエネルギーを分けてもらいながら、地中でじっと辛抱強く春が来るのを待っている植物たちのことを想う。長い長い冬が終わり、春の息吹が感じられるころの瑞々しい森の様子と言ったら!どんなに心が荒んでいても、感動せずにはいられない。
自然に囲まれて暮らすとは、こういうことなんだな。自分がこんなに自然から様々な感情を呼び起こされるだなんて、思ってもいなかった。
明日の景色は、どのように映るだろう。
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