好きな時
音が途切れて
これ以上もう繋がらないという瞬間
まるいベンチに座る3人組の女性のおしゃべりも
終わる
演奏者が大きく漆黒の家具のような楽器を立ち去るその時に
あなたたち、
聴いていましたか。
聴いていなかったけれど
音楽と一緒にその空間と時間は在った
それが明らかになる瞬間
わたしの好きな時
***
時は本当に内側にあるのだなあ
わたしのこころの深いところを向いている矢印
その方向性と支点の存在が
時間なのだ
それは空間なのだ
音はそれを彩っている
呼吸しているいのちを抱え込んでいる
***
詩を書くように
言葉を選ぶように
音を探して
置いて並べて繋げていく
生きていること