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マルチエフェクターの音作り。(基本編)

今回は私なりのマルチエフェクターの使い方をお話しします。
マルチを持っているけど音作りに悩んでいる方、そもそもマルチに嫌悪感を持っている方のお役に立てれば…と思います。

機種に関係ない基本的な考え方です。
是非読み進めてください。


マルチを触る前にまず考えて頂きたいのが自分にとって最低限「絶対に必要な音色」です。
私の場合は大雑把に「クリーン」と「歪み」の二色だけですが、仮に
「単体ペダル3つ」などの条件を設定して考えてみましょう。
案外そんな制限があっても「あ、これで済むわ」と感じる方が多いと思います。「歪みの量が違う」とか「ディレイのタイムが違う」というようなバリエーションは後でいくらでも設定出来るのでまずは大まかに3種類くらいで考えます。

マルチエフェクターはその名の通り出来ることがあり過ぎるのでそこに溺れてしまうと全く使いこなせません。
実際はコンパクトのペダル3つくらいでもさほど問題なくライブは出来てしまうので、そのつもりで音色を作りを始めるのが近道だと思います。

では実際に設定して行きましょう。

・「ギター」→「マルチ」→「アンプINPUT」の接続の場合

今回はギターとアンプの間にマルチを繋ぐ場合の一番シンプルな使い方で話を進めて行きます。他の接続方法については別の記事にします。

まずはギターとアンプだけ
繋いで自分が使うであろう「一番クリーンな音」を作ります。
その後「ギター」→「マルチ」→「アンプINPUT」と接続します。(マルチ側で接続先の設定が出来るモデルなら「アンプINPUT」にしてください)

マルチの中の空のパッチ、もしくは変更出来るプリセットの中からヴォリュームペダルの機能が効いている音色を選びます。
(ペダルが付いてないマルチならどのプリセットでも良いです)
自分の好みに近い音色である必要はありません。何でも良いです。

そのプリセットでONになっているエフェクトを一個一個全てOFFにします。
コンプや歪み、アンプシミュレーター、リバーブなど全部です。
つまり、ヴォリュームペダルの機能だけが活きている状態。
この「使わないものを切る」という発想がマルチを使いこなす最大のコツと言えるかも知れません。
この状態でギターとアンプだけで作った音との音量差が無いように抜き差しを繰り返しながらマルチ全体(マスター)のアウトプットの数値を決めます。この作業は地味ですがとても重要なものです。

音量差は無くなってもマルチを通るだけで若干の音質の差を感じる場合があります。ギターとアンプだけの時よりもマルチを繋いだら高域が少し落ちたと思ったらアンプのTREBLEやPRESENCEを少し上げる、低域に違和感があればBASSのツマミをいじるなど、この段階ではアンプ側で微調整してください。

はい。これで私にとっての「クリーンサウンド」が1つ完成です。

何もエフェクトが掛かっていない、ギターとアンプだけの音も使う人にとってはこれも1つの音色なんです。
そしてこれが大事な基本の「無色設定」になります。
この「無色設定」が出来た時点で他のパッチに大量にコピーします。

そしてやっとエフェクトをONにしていきます。
私はペダル3つを「歪み」「コーラス」「ディレイ」に想定しました。
最初に歪みの設定からいきましょう。

大量に作った「無色設定」のパッチの1つを選んで、そこで「オーバードライブ/ディストーション」のエフェクト「だけ」ONにします。

最近のマルチならば名機と言われるペダルや定番ペダルのシミュレーションが多数用意されていると思います。そこから知っているものを選んでも良いですし、一個づつ試していくのも良いと思います。好みのものがあったらそこからDRIVEやTONE、LEVELをいじってさらに調整していきます。

お気づきの方もおられると思いますがこの状況は
(ギター)→(単体歪みペダル)→(アンプ)で歪みペダルの調整をしているのと全く同じです。
今までプリセットの音しか知らなかった人にとっては「こんなに普通の音が出せるのか!」とビックリすると思います。
最近のマルチに入っている歪みペダルのシミュレーションは充分に使えるクオリティなのも実感出来るでしょう。

これが出来てしまえばあとは「コーラス」や「ディレイ」もコンパクトのペダルを調整するのと同じ要領で設定すれば良いのです。

何度も言いますがペダル3つあれば大概の事は出来るはずです。マルチを使っているからといって5つも6つもエフェクトがONになってるのはそれだけ音が自分の当初のイメージから遠くなっているという事です。


まずはギターとアンプだけで自分のベーシックとなる音に設定したはず
ですのでそこから極力離れないようにするべきだと思います。
特にアンプシミュレーターは出ている周波数帯をガラッと変えてしまいますので実機のアンプを使っているなら切りましょう。歪みはまずDRIVEペダルだけで作ってください。
EQもそうです。マルチ内のEQで補正しようとせずに出来るだけDRIVEセクションのTONEで調整してください。
周波数帯を積極的に変えるものは初めのうちは使わないのが吉です。

「こんなに最小限のエフェクトしか使わないならマルチの意味が無いじゃないか?」と思われるでしょう。
これは危険な考え方です(笑)
マルチの利点はそこでは無いんです。

「歪み」「コーラス」「ディレイ」とコンパクトを扱うように設定しました。一つ一つがちゃんと使えるクオリティであることが分かったと思います。マルチではそこからそれらを自由な組み合わせでメモリーして一発で呼び出せるのです。
「全くのクリーン」「コーラス+ディレイ」「歪み」「歪み+ディレイ」など。

「コンパクトペダル」+「スイッチャー」でやる事が一台で完結します。さらにスイッチャーでは大掛かりになってしまうような事、別のDRIVEペダルを違うパッチに設定したり、ディレイタイムを変えたパッチも設定出来るのです。
これこそがマルチの最大の利点で、大量のエフェクトが内蔵されている事が利点では無いのです。
こんなに便利なのに常に一定数の否定派がいることが不思議でなりません(笑)

いかがでしたでしょうか?
今回はマルチの最もシンプルな使い方、設定の仕方をお話ししました。
これが私なりのマルチを使う上でのスタート地点です。
次回は応用編、私の実際の設定数値も含めさらに踏み込んだ使い方など具体的にお話ししていこうと思っています。引き続きよろしくお願いします。

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