JC-120の考え方を踏まえた使い方。その2
前回「その1」ではギターアンプらしからぬ「入力に対する許容範囲の広さ」への対応を中心にお話ししました。
今回は「EQだけはギターアンプっぽい」という部分での私の対処法をお話ししたいと思います。もちろんギターアンプの音色設定はEQツマミだけでどうにか出来るものではありません。筐体のサイズを含め、そもそもの設計から各機種に音色の方向性があります。それを言い出すと専門的な知識も必要になるのでここではあくまでも1プレイヤーのライトな考え方としてお読み下さい。
多くのギターアンプにはTREBLE、MIDDLE、BASSというツマミが付いていて高域、中域、低域の周波数を調整出来ます。そしてそれぞれのツマミは一つの「点」だけを上げ下げするのではなく、その点を中心にした周りの帯域も一緒に引き連れて動きます。
この3つのトーンコントロール、FenderやMarshall、Mesa/Boogieなどブランドや機種によって同じTREBLEツマミを弄っても調整出来るポイントが微妙に違います。「高域」と言ってもどこを「高い周波数」と設定しているのかそもそも曖昧です。MIDDLE、BASSも然りです。
例えばMarshallのMIDDLEツマミなんかは私にとってかなり高いところが動く印象があって、TREBLEを調整しているような感覚にもなります。
そんな私からするとJC-120はFenderアンプのツマミの利き方に似ていると感じます。
しかし、思い出してください。JC-120は普通のギターアンプに比べて再生出来る周波数の範囲が広いのです。Fenderアンプと同じ要領でTREBLEツマミを上げていくと似たような高いポイントが動いていくものの、ある程度を超えるとFenderアンプでは出ないかなり高い周波数も釣られて上がっていきます。逆にBASSではさらに低い周波数が。
つまり、TREBLE、MIDDLE、BASSそれぞれのツマミで動くポイントはFenderアンプに似ているけど、ピンポイントでそこだけ上がったり下がったりする訳ではないので再生出来る範囲が広いJC-120では1つのツマミが担当している帯域は高い方も低い方も広くなっている、と解釈しています。
そこで私なりの対処法です。
これはとてもシンプル。「各ツマミのMAXを5と考える」です。
JC-120の各ツマミは0〜10となっていますが、聴感上ではツマミ位置4くらいから自分にとって要らない帯域も釣られて上がってくる感じがあります。
ですのでかなり特殊な状況でもない限り、私はどのツマミも4以上にする事はないだろうと思います。
私がJC -120をギターアンプとして使う時の設定はだいたい
TREBLE:3くらい
MIDDLE:3.5くらい
BASS:2くらい
になります。もちろん個体差や環境などもあるのでその都度微調整はあります。
「なんだそんな事か」と思われる方も多いと思いますが、0〜10まであるものを5以上は使わないという判断は何かしらの理由(裏付け?)が無いと中々難しいものです。
他にも「とりあえずオール5にしてから考える」という方法も一般的に知られていますが、一旦上げたものを下げていくという動作もまた難しく、実は下げたところに良いポイントがあっても見つけづらいものです。
そんな感じで設定した音は高域山、中域山、低域山で出来た「山の景色」が通常のギターアンプの景色に似てる感じがするのです。
しかし、各EQツマミを低い状態にして作った山のバランスなので全体の音量や音圧も下がってしまい、ちょっと遠い景色にもなってしまいます。
そこで活きてくるのがシビアに反応するJC-120のVolumeです。
そのVOLを上げれば良いのです。
全てのツマミを5付近で設定するとVOLは2くらいまでしか上げられなかったのに、この設定にすれば3〜4でもバンド内での常識的な音量にすることが出来ます。尚且つVOLツマミをある程度の位置まで上げる事で電気回路的にも良い効果があるのか?音に張りが出て音圧も充分に感じられます。
以上が私なりのJC-120を使う際のEQの考え方です。
もちろん音色の好み、お使いのギターの特性も人それぞれ違うのは当たり前ですので、私のツマミの設定が皆さんにフィットする訳ではありません。こういう考え方もあるのか…と、自分のベストな設定を見つける参考になれば幸いです。
そしてさらに続きそうです(笑)
次回は今までのJC-120の特徴を踏まえた上で他の機材との組み合わせ、より踏み込んだ使用法についてのお話になると思います。
引き続きよろしくお願いします。
※この記事はここまでが全ての内容です。
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