いまおかしんじ監督『天国か、ここ?』@ケイズシネマ新宿8.28 トークショー内容
18:40の回の『天国か、ここ?』上映後、いまおかしんじ監督特集上映の旧作『つぐない 新宿ゴールデン街の女』の上映前のあいだの時間にトークショーあり。登壇者は向かって左からいまおかしんじ監督、『つぐない』(14)の出演者3人、速水今日子、工藤翔子、貴山侑哉。
トーク内容はほぼ『つぐない』製作時のふりかえり。
まずは左からひとりずつ、いまおかとの関わり。
いまおかが速水を認識したのは女池充の『花井さちこの華麗な生涯』から。あれ、(現場に)いました?という速水に、イヤ、映画を観て知っただけといういまおか。速水、私はピンクにはだいぶ遅れてきた、(ピンク)四天王とも林由美香さんともご一緒していない、それまで‥80年代、90年代あたりはエロVシネに出ていたりした。
工藤さんとはあまり関わりはなかったが、新宿の僕の家が近いので飲みの場でよく一緒になって親しくなった。
貴山侑哉とは『つぐない』がはじめてだと思っていたが、実は『島田陽子に逢いたい』(10)に出演していたのを最近になって知った。
『つぐない』企画の発端は2010年頃だとプロデューサーでもあった速水。ゴールデン街を舞台に、ゴールデン街の女優さんらと何かやりたいというのと、工藤翔子がそのころ離婚して(シングルアゲイン、と工藤)、気持ちが落ち込んでいたのをなんとかしてあげたいと。工藤はやっていたおでん屋も休んでいたりして、心配だったし、女優の仕事に反対していたダンナとわかれたんだから、また女優の仕事やろうと引っ張りだした。
(いまおか監督に、撮影開始のときには工藤はもう元気になっていたと見えたと言われ速水)、それは紆余曲折あって結局撮影するまでに長い時間がかかっちゃったから。
2011.3.11の震災があったり、脚本もぜんぜん出来なくて7稿までいった。当初『シカゴ』みたいな映画を目指していて、そうしたら回想シーンで絡みの場面もいっぱい入れれるかなと。それがなんでこんな話になっちゃったのか‥。脚本の佐藤稔に直して欲しいところを言うと、そのたびに脚本がガラッと変わっちゃう。ピンポイントでここを直せというのは、脚本家に失礼だと、坂本礼に怒られた。
貴山侑哉の役は、チーム国映で川瀬陽太で(他のひとは)やりたがったが、速水はイヤ貴山がピッタリだと譲らなかった。チャラチャラしていて。
(チャラチャラしてない、芯はしっかりしていると貴山。)
時間がかかって、撮影のころにはいまおか監督にお子さんが産まれてた。いまおか、だから撮影時期をはっきり覚えてる、2013年の12月。12月10日に娘がうまれたから。
伊藤猛さんはあのころもう酒もタバコも止めていた。ガンはもうやっていたっけ?やってた。猛さんに、どうしてこっち側にきたのと聞かれて、そのときは俺嫌われてんのかなと思ったと貴山、そういう意味じゃないと今は分かる。
伊藤猛にとってはほぼ遺作だった。大阪でのトークショーある日に亡くなったと連絡があって、そのトークショーの場で発表した。初日のテアトル(新宿)の舞台挨拶に来なくて、あのヤローと思ったが(速水)、伊藤は家を出たが具合が悪くなって途中で引き返したんだと後で知った。
少しは『天国か、ここ?』の話もしないと。
いまおかが繰り返しモチーフにしている、亡くなった大学時代の友人。坂本にプロデューサーやってもらって。いつも島根に墓参りに行ってるんですよ。その島根で撮ろうと。ちゃんと島根で撮ってます、千葉の海じゃないですよ。移動もたいへんだから、大阪神戸あたりの役者で、でも佐藤宏は出したいからバンに(ムリヤリ)乗せて20時間かけてわざわざ連れていった。コロナの助成金の補助が出るから、『れいこいるか』(20)の続きじゃないけど、あの二人(河屋秀俊、武⽥暁)を使ってなんかないかと。
(「あんなに売れっ子になった川瀬陽太が(こんな映画にわざわざ‥という言葉を飲み込みつつ)‥ねえ‥」と速水)
伊藤清美の役は意外なセレクトだったけどどうして?という問いに、本人を知っている人にやってもらいたくて、でも知っている人はみんな死んじゃってるから、伊藤清美なら知っているなと。
劇場にいる『天国か、ここ?』『つぐない』のほかの出演者(河屋秀俊、新宿タイガーほか)も呼んで一言だけ挨拶してトーク終了。
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ロビーには『れいこいるか』のとき宣伝で作った佐藤宏のオレンジ色の等身大パネル。当時の登壇者のサインが全面に。福間健二のサインも真ん中にある。
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