英語を通じて何かを学ぶ
はじめに
私は高校生の時、Z会の「速読英単語」を使って受験勉強をしていました。このテキストには色々なトピックの内容が短い英語の文章で書かれているのですが、大好きな英語を使って科学や文化など別教科のテーマを学べることに当時わくわくしていました。
その後、第一志望の大学で一生懸命英語を勉強しました。しばらく社会人として働いた後、紆余曲折あって、イギリスの大学院に進学することになりました。
そこにいる学生・研究者は、高い英語力を持つ人ばかりでした。
しかしその中でハッとしたのは、英語力だけが全てではないということ。
最も大切なのは「どんな意見を持っているのか」。
国際社会において、私たちはnon-native speakerとして、英語(や他の言語)の運用能力を磨くことに加えて、その言語で何を理解し何を表現するのかを考えることが必要なのだと実感しました。
英語を通じて新たな分野を学びながら、英語も学んでいく。
この学習観がもっと広まればいいなと思います。
では、<英語を通じて何かを学ぶ>ことに、どのようなアドバンテージがあるのでしょうか。
英語を通じて何かを学ぶことのアドバンテージ
英語がトピックの理解を助ける
英語中級以上の方は、英語がトピックの理解を助けることが期待できます。
日本語に比べて英語ではシンプルに説明されることが多いので、生命医学などを学ぶ際、私は英語を読む方が理解がしやすいと感じたことが何度もありました。
ここで科学・数学・医学分野からそれぞれ例を出そうと思います。
以下の質問の答えを考えてみてください。
「皆既日食・月食」とは何のこと?
数学で「ルート」とは何?
脳の「大脳辺縁系」はどういう役割?
答えは以下の通りです。
皆既日食は英語でtotal solar eclipse、皆既月食はtotal lunar eclipseなどと表現できます。なるほど、「皆既」はtotal、完全に見えなくなることを表すのですね。
root(ルート)は根っこ、起源という意味です。例えば16という数のルート(根っこ、起源)は4という数です。別メディアで記事になっているので、気になる方はご覧ください。
大脳辺縁系の役割は、英語で調べると以下のように書いてありました。
なるほど、感情と行動に関わる部位なのだ、ということがわかりますね。
このように、英語を手がかりにして新たな知識を開拓していくことが期待できます。
トピックの背景知識が英語理解を助ける
また、英語学習の観点からもアドバンテージがあります。
これはよく引き合いに出す私自身の体験ですが、
大学生の頃、授業の中で桃太郎を英語でリスニングする活動がありました。
桃太郎といえば「どんぶらこどんぶらこ、きびだんご、鬼退治・・・」。
すでに知っている話なので、英語で理解するのが驚くほど簡単だったことを覚えています。
また、知り合いの数学関連の分野を専攻した人から聞いた話ですが、
「英語で書かれた数学書は、たとえ英語に自信が無くてもなんとなく理解できる」のだそうです。
学びは既習事項と未習事項をリンクさせることで深められるので、学ぶトピックについて元々知っている情報(背景知識)が英語理解を助けることがよくあります。
おわりに
今回は、<英語を通じて何かを学ぶ>ことのアドバンテージをいくつかお話しさせていただきました。
noteという媒体を使用して考えを発信するのは初めてですが、読者の方の参考になれば嬉しいです。
今後も英語学習について役立つ記事を執筆していきたいと思います。
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