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1巻お届けチャレンジ(100冊までの道)前編

私を漫画家にしてくれた編集さんは良い方でした。数か月の間に何十回とやり取りを重ね、私が連載デビューする為に時間と労力を惜しまず注いでくれました。連載が始まる前に部署を移動された後ですら、お力を尽くしてくれたのです。それだけのサポートをいただいたにも関わらず、私の作品は読者様の目に留まりませんでした。編集さんが信じて送り出してくれた作品を私の力不足で誰にも読んで貰えなかった事実が心苦しかったのです。

そんな時、ある漫画家さんが自作のアニメPVを制作して宣伝されたという記事を思い出しました。多大な費用や時間がかかったと思いますが、「誰かに物語を届けたい」という情熱に共感し、自分に出来る事を考えた結果、プレゼントという宣伝方法に辿り着きました。

幸い、夢だった漫画家活動に挑戦しようと貯めていた蓄えがあったので、飼い猫との生活を守れる範囲で宣伝費を捻出し、一人でも多くの方に読んで貰いたいという気持ちで活動を始めることにしたのです。

6月26日
Xにnoteを投稿しました。
フォロワー様が0人からのスタートで、特に目を引くタイトルでもないこの企画が一体誰に届くのだろうかと不安でした。ネットの海に埋もれる事も覚悟の上でした。

6月27日
朝、Xを開くと数名にフォローしていただきました。特に貧困から成り上がった社長にフォローいただいた時は、ネットにはいろんな方がいるのだと感激し、もしかしたら私の漫画を読んでくれる方もいるかもしれないと前向きな気持ちになりました。

6月28日
初めて自分の漫画への反応をいただきました。noteを読んでくれた方が本を購入し、最初の受取り人様になってくれました。

6月29日

6月30日
受取り人様がご自身のアカウントで企画や漫画を紹介してくれました。Xで知り合ったばかりの方が作品を広める為に投稿してくれた事が嬉しくて、その日の夜はなかなか眠れませんでした。


7月3日
SNSを始めたばかりで、何をどう宣伝すれば良いか分からない中、受取り人様がハッシュタグをたくさん使って本を紹介してくれました。その巧みな宣伝方法に感心と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

7月5日
レビューに初めてのコメントが付きました。

近所の公園で子供達に漫画を配った事を受取り人様が投稿を通じて知ってくれたようです。活動を気にかけてくれる方の存在が嬉しくて応援の言葉が胸に響きました。

7月6日
Xで影響力をお持ちの方が私の漫画と一緒に写真を撮ってくださり、その方のフォロワー様に興味を持っていただく事ができました。注目される事のなかった私のアカウントに関心を寄せて貰えるキッカケを作ってくれた恩人様で、今でもずっと感謝しています。


さらにこの頃、取り組みを知ったクロネコヤマト様がパッケージのサンプル品を幾枚か提供してくれました。個人の活動に企業が手を差し伸べてくれるという予想外のサポートをいただき、とても感激しました。

7月10日
受取り人様の投稿に「お早い対応」と書かれているのは、この頃はまだ私が匿名配送に不慣れで発送日と入力期限日を勘違いしていたからです。それを全く感じさせない優しさで受け取っていただきました。

7月12日
初めてサインを求められた時はどう書けばいいか分かりませんでした。正直なところ、本を受け取ってつまらなかったら売っていただければと思っていたので、サインを求めて貰える事が驚きでした。

フォロワー様の投稿で作品を知った読者様がXで「読んでみて」と呼びかけてくれました。無名の作品に手を伸ばして、さらに紹介までしてくれるなんて私には勿体ないほどの応援です。

Xで宣伝を始めるまで自分の作品を知ってる人なんていないと思ってたので、1巻が発売された時から読んでくれた読者様の存在を知れたのは、心に光が差し込むような出来事でした。

電子書籍が主流になってきている中、「紙の本がいい」とご連絡いただいたことは励みになりました。ページをめくって貰える事のなかった本が読者様の元で物語を伝えられる事を思うと活動を始めて良かったと感じました。

7月13日
企画を通じて猫を飼ってる受取り人様とお話できるようになったのは嬉しい経験です。猫飼い初心者の私にとって、これまで知らなかったお世話のコツなど教えて貰えて、頼れる先輩に出会えた様な気持ちになりました。

7月14日
お会いしたことのない方に作品を紹介して貰えるのは決して当たり前のことではありません。まだXで宣伝を始めたばかりの私にとって、自分の代わりに読者様に投稿して貰えることは心強い応援でした。

初めてファンアートをいただきました。

7月17日
普段から多くの漫画を読まれる方が、数ある作品の中から私の本を応援してくれるというのは特別に感じます。どうか作品が埋もれないようにと活動を始めたばかりの私にとって、優しい言葉を貰えた事は心の支えになりました。

取り組みを始めて良かったと思う事の1つは、読者様からいただく批評が貴重な学びの機会になる事です。以前は作品への反応が皆無で自分に何が足りないか改善したくても手探りな状態でした。DMなどで率直な意見をいただけることが大変ありがたいのです。

7月18日
フォロワー様の投稿をきっかけに、新たに私の漫画を読んでくれる方が現れました。宣伝を始めるまで、きっと出会うことのなかった方々と親しくなれたのはSNSでの嬉しい体験です。

youtubeでチャンネルをお持ちの方が本を受け取ってくれました。普段の文字だけのやり取りとは違った読者様の一面を感じられたのは新鮮な体験です。とても温かな人柄が伝わってくる動画で、本を通じて出会う方の優しさに支えられているのだと改めて実感しました。

7月20日
企画で作品を知って貰えるだけでも嬉しいのに、ご自身で購入し、さらに広めてくださるなんて信じられない出来事です。自分の漫画にそんな価値があるのか自信が持てない部分もありますが、活動を支えてくださる方との出会いは奇跡のように感じました。

迷子ペットの解決サイト様が企画を紹介してくれました。

7月21日
運営されている方の完全なご厚意で、ブログに猫漫画をまとめてくれました。さらにインスタの開設などSNS初心者の私に様々な助言をくださり、温かいご支援にただ感謝するばかりでした。

私の負担を考えて企画の参加を遠慮される方もいますが、この宣伝活動はきちんと予算を設けて計画的に進めています。今まで自分の漫画を読んでくれる方の姿が見えず、どこか遠い存在に感じていました。ですから、活動を通じて読者様と親しくなれる事がとても嬉しいです。特に猫好きの方なら尚更です。

7月25日
頑張っている人を応援したいと積極的に声を掛けてくれる方は、きっとご自身も多くの困難や努力を積み重ねてきた人なのではと想像します。たくさんの温かい言葉をいただき、私もそんな思いやりの心を見習っていきたいと感じました。

朝起きて、ぼんやり通知を見ていたら、本と一緒に写真を撮って紹介してくれた方の投稿を発見しました。ビックリして飛び起きた事を覚えています。お忙しい中、時間を割いて取り上げてくれたことを思うと、そのご厚意に感謝しても尽くせません。

7月29日
活動を始めてから一ヶ月、少ないながらも私の投稿にいつも反応してくれる方が現れました。とても嬉しくて、一体どんな方が関心を寄せてくれるのだろうと、その方の投稿を拝見し、ささやかな「いいね」のやり取りが日々の励みになっていました。そんな方から「読んでみたい」と声をかけて貰った時は心が震える思いでした。家族で楽しめる作品作りを目指しているので、お子さんと一緒に本を手に取って貰えたのが嬉しかったです。

8月3日
企画に参加してくれた事をキッカケにお互いの趣味やお気に入りを共有できるのも素晴らしい体験でした。読者様にただ読んでもらうだけでなく、交流を深めていくことで自分の視野を広げる事ができました。

8月9日
野良猫を見かけない地域に住んでいるので、Xを始めたことで地域猫の保護や支援に取り組まれている方々の活動を知りました。そんな地域社会に尽くされている方から「読んでみたい」と連絡をいただけたのは光栄な出来事です。

8月10日
フォロワー様の投稿で活動を知ってくれた方が連絡を取るというのは手間も時間もかかる事と思います。そんな中、公開している1話を読んで、さらに励ましの言葉まで寄せてくださる受取り人様には、その一つ一つに込められた思いやりに胸が温かくなります。

8月13日
時々、思いもよらない方が読者様になってくれます。特に印象的だったのが占い師様です。人の心を読み解くプロフェッショナルな方ですから、物語と一緒に自分の内面も読まれてしまうのではとドキドキしました。

ダ・ヴィンチWeb様が作品を取り上げてくれました。

8月14日
この先、誰かにお届けチャレンジを批判される事があっても後悔はしないと思いました。

8月18日
1巻を購入し、お届けした本を保管用に置いてくださるなんて信じられないご厚意です。それほどの評価をいただける作品でない事は自覚してますが、ほんの僅かでも価値を見出してくれた優しさがとても嬉しかったです。

8月21日
活動を続ける中で興味深かった体験の1つに、受取り人様が後々になって私の知りたかった知識や経験をお持ちだった事があります。偶然の一致というのでしょうか、人との出会いがどれほど重要で影響し合うものなのかを再認識しました。

8月24日
目立つことが苦手なので宣伝活動を続けるにあたり、それなりの苦労はあります。そんな時、私の企画に寄り添って「良い取り組み」と言って貰えたことは言葉以上に大きな励みになりました。

8月27日
描いた物語を無かったことにしたくなくて、この取り組みを始めました。ただ、読んで貰えるだけで有難いのに、さらに一歩踏み込んで読者様が感じたことを形にしてもらうのは、かけがえのない経験です。私の作品に向き合って書いてもらった感想やレビューは宝物です。

これまで企画に参加してくれた方の中で、おそらく最年少の学生さんが私の漫画を受け取ってくれました。多感な時期に作品を読んでもらえるなんて有難いことです。普段の生活なら接点のなかった学生さんと、活動を通じて交流できたのもSNSでの新鮮な体験でした。

8月28日
作品を通じて出来た繫がりは自分にとって大切な財産です。それは単なる知り合いではなく自分の物語を介した交流だからです。そうした対話の中から新しい視点や考えを教えて貰ったり、思いもよらない形で応援をいただけるのは貴重な経験でした。

フォロワー様から漫画を読んだと報告をもらえるのは、とても嬉しいです。自分の作品が読者様の元に届いたんだという実感が湧くからです。そして、その一言を届けてくれる優しさに心が温かくなります。

9月2日
受取り人様が企画に込めた意図をしっかり理解して代弁してくれました。取り組みを始めるまで自分の発信が誰かに届いたという実感が無かったので、こうして誰かが想いを受け取って他の人に伝えてくれるというのは報われたと感じる瞬間です。

Amazonレビューにコメントがつきました。

9月3日
普段、電子書籍を利用している方から「購入するなら紙媒体の方が良いですか」と尋ねられた時、その質問の背景にある心遣いに感動しました。自分が読みやすい方ではなく、私の活動を支援する為にどちらか良いか考えてくれる方がいることに、ただ感謝するばかりです。

9月5日
子ども達が安心して過ごせる場所を提供している施設から、「本を施設に置きたい」と連絡をいただいた時は喜びでいっぱいになりました。活動を始めるまで、ほとんど手に取って貰える機会の無かった漫画がたくさんの子ども達に読んでもらえるなんて夢のようです。誰かに自分の物語を届けたいという気持ちを抱き続けた結果、このような素晴らしいご縁をいただけたのだと思うと行動して良かったです。

所沢のヒーロー、航空戦士トコロザワン様が取り組みに共感して熱い応援を送ってくれたことは、とても心強い出来事でした。ヒーローという強さや正しさを体現されている方から支持してもらったことで、活動を続ける勇気をいただきました。

Xでは、ある程度自分の呟く内容や方向性を意識している人が多いと思います。特定のテーマに沿って発信している方が急に私の漫画を写真付きで紹介するのは「異質な行動」ともいえます。それでも「この本をみんなに知ってほしい」と紹介してくれる事に感謝の念が尽きませんでした。

9月11日
リアルサウンド ブック様に「お届けチャレンジ」についての記事を掲載していただきました。取材では終始丁寧に接していただき、特に作品を届けたいという願いと、それを実現する為には行動が必要であることを記事の中で的確に伝えてくれました。

9月14日
投稿を目にした瞬間、あまりにも場違いで恐縮してしまいました。それでも、フォロワー様が数ある名作と一緒に私の本を選んで読者様になってくれた嬉しい気持ちと、その写真に込められたフォロワー様の優しさと思いやりを感じました。

9月15日
1巻が発売された日、書店に足を運んだ時のことは今でも鮮明に覚えています。「誰が読んでくれるのだろう」と本棚の隅に置かれた本を見て思いました。ですからXで宣伝活動を始め、興味を持ってくれたフォロワー様がわざわざ本を探して読んでくださる事に救われた気持ちになります。

9月17
誰でもそれぞれの人生に困難があり、痛みを抱えているものだと思います。経験を誰かと共有するのは難しいことですが、私の活動にご自身を重ね合わせて応援してくれるのは、これまでの出来事が無駄ではなかったと感じさせてくれます。

お届けした本が50冊を超えた頃から少しずつ、フォロワー様から「漫画を読みました」という報告を貰えるようになりました。また、いいねやリポストを通じて、いつも投稿を見守ってくれる方々も増えてまいりました。100冊を目標にしたこの活動は多くの優しい方々の支えで前向きに続ける事が出来ています。

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