再会した受取り人様が一緒になって漫画を配ってくれたお話
というわけで再び駅前にやって来ました。
前回のnoteでご報告したとおり、日々、自著マインド・リバーシの普及活動に務めておりますが、筋トレを趣味にしているにも関わらず体力面において私の屋外活動限界は1時間です。
連日の猛暑も合わさるからでしょうか、これ以上お外にいると体調に異変をきたすので本を配り切れずに撤退する日もあります。
そして、この日もポケットティッシュを帯に貼り付けて漫画を配っていました。
すると「先日、漫画をいただいた者です」と見るからに上品な女性が声をかけてくれました。
そこで温かい励ましや本の感想などをいただき、心優しい受取り人様との再会に喜んでお礼を伝えました。それから一旦別れたのですが、なんと数分後にその方が再度お会いしに来てくださったのです。
その手には熱中症をご心配してくださったからでしょうか、お茶とラムネの入った袋がありました。
私が受取り人様からの贈り物に感動していると
「私も漫画を配ってみて良いかしら」
と、なんと本を数冊お取りになってお手伝いくださったのです!
こんな猛暑の中、受取り人様が自分に代わって宣伝活動をしてくださることに私はビックリすると同時に心から感激しました。そしてなんだか涙が出そうになって、でもここで泣くわけにはいかないと精一杯自分を保ちました。
そして受取り人様は手際よく次々と本を配布されていったのです。
普段の私のペースなら10回は人波が必要な数の漫画をほんの3、4回で配りきりました。あまりに早く本が貰われていく様子に、ただただ驚くしかありませんでした。
受取り人様は「漫画をお配りしております」というお声掛けとともに、実際に配っている物をハッキリと見せる事で、通行人様に「何を渡しているのか」を明確に示されていました。
そこには受け取る側の視点を考慮した、私にはないテクニックがあり、また一目で漫画だと分かる様にと具体的なアドバイスまでいただきました。
「なんてすごい人なんだろう」と思いながら、私は精一杯お礼を言ったつもりですが、その気持ちが十分に伝わっているか不安でした。
受取り人様は笑顔で、まるでそれが自然なことだったかのように駅の中へ歩かれていきました。その後ろ姿はヒーローが立ち去るような清々しさで、私はお姿が見えなくなるまで目を離せませんでした。
残った漫画はわずか数冊。その日の宣伝活動はいつもより早く終わり、私の心は受取り人様の善意に対する深い感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ほんの数日前まで見知らぬ人だった方に助けていただいたこと。たった数秒、駅ですれ違って私の漫画を受け取ってくださった方がここまで力を貸してくださるのです。
それは今回の受取り人様だけでなく、SNSで感想を寄せてくれる方や私の代わりに宣伝までしてくれる方々がいて、さまざまな形で私の作品の認知を広げる手助けをしてくれます。
自分の作品が埋もれてしまわないよう、誰かに読んでもらいたくて行動してから、思いもよらずたくさんの方が手を差し伸べてくれました。
そのことへの感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません。
改めて、私の漫画を読んでくださった方々がどれほどありがたい存在かを強く心に刻んだ出来事でした。