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トピック『学歴は必要か』の不毛性

『学歴は必要か?』あなたの答えが希望に基づく時に事実は反対となり、あなたの答えが事実に基づく時学歴は不要となる。重要なのは「どの大学を卒業したか」よりも「大学に入学し、卒業していく過程で、いかに考え、学び、解決につなげる態度を身に付けることができたか」にあろう。


ヤフーニュースを見ていると『学歴は必要か?』というトピックをみかけました。私はこれに対する答えは『ない』と思います。

「必要な時は必要だし、不要な時は不要」。これに尽きると思います。

株式投資を皆さんにおススメするものではありませんが、私は株式投資をするようになって一層『市場の評価』を意識するようになりました。

よく「株式投資は美人コンテストのようなものだ」とたとえられます。あなたがどの人を美人と思うかよりも、みんながどの人を美人と思うかを評価するわけです。あなたが特定の企業の株価があがると思っていても、他の人がその株に魅力を覚えなければ株価が上がることはありません。

『学歴が必要か?』と考えるのは『Aという株は魅力的か?』というのと類似していると考えます。

魅力的と感じる人もいれば、魅力的には感じない人もいる。魅力的な時もあれば、魅力的でない時もある。そしてそれはあなた一人で決められるものではなく、社会の総体によって判断されるものではないでしょうか。

現在、Youtubeやブログのように、以前にくらべてはるかに多くの人間が、社会に対して広くアピールする場を容易に得る事ができるようになりました。

クラウドファンディングによって、普段の生活では想像もつかないような金額を集められる人や団体も数多く出現しています。

明らかに以前に比べると『学歴の重要性』は低下しているといえるでしょう。しかしながら、職種や業種によっては学歴が重視されるものもあると思われます。

優れた経営者や起業家は、経歴や学歴がしっかりしていることが多いものです。企業家や経営者を特集した雑誌で「一見チャラチャラしたみなりのいいイケメン」を見かけることも少なくありません。そしてそのインタビュー内容や、現在とりくまれているご活動をみて唖然とするのです。「す、すごい」と。そして経歴をみると、しれーっと高学歴だったりします。それなりの立場にいる人は、確かにそれなりの学歴をもっていることも多いと思われます。学歴や経歴がなく、突然社会にあらわれて結果を残す人はもちろん存在します。しかしながら、学歴のある人の中で成功した人/学歴のある人、学歴のない人の中で成功した人/学歴のない人 とでは前者が圧倒的に数字が大きくなるのではないでしょうか。

この数字は実際には調べていないので、『ファクトフルネス』同様、私の認識が間違っているというデータをお持ちの方がいらっしゃれば、ご教授いただけると幸いです。

最近、若いながらに大人顔負けの知識や技術をもった子ども達がテレビなどで取り上げられているのを目にします。たいていの場合、その子ども達の親や周りの大人たちが一般と比べてはるかに優秀というのが私の印象です。

学歴に限らず、優れた教育や理念を幼少期より吸収する中で、「自己肯定感」や「実行力・達成力」といったものを養えるのではないでしょうか。

いつの時代も、ある程度の経済格差、教育格差は存在します。これは是正されてしかるべきですが、しかしながら現実に今存在しているのは否定できないところでしょう。

学歴・能力的に優れた方々のお子さんは、やはり自然とそれなりの学力をつけていることが多いのではないでしょうか。

能力もなく学歴にしがみつき、ただ偉そうな人間も見かけます。しかしながら学歴もあるし、能力もある人間もかなりの数存在します。

 能力も学力もある人は、学歴にはあまりこだわりはないでしょう。 

 能力があって学歴がない人は学歴に対する強い反発心を抱かれることでしょう。しかし現在は、能力がずば抜けていれば、学歴によってポストが得られなくても、アプローチを変えれば能力を活かしやすい社会になってきています。

学歴があって、能力がない人は、「学歴が必要か、不要か」に悩むべきではなく「能力が必要」である点について悩むべきです。「学歴が重荷になっている」と悩みがちかもしれませんが、そもそも学歴がなければもっとひどい状況になっていた可能性が高いと思われます。自他ともに学歴にもとづいた期待値が高いために、現状を受け入れられないのでしょう。学歴も能力もない人に比べれば、学歴のことについて悩む必要はないので、能力をつけるべく努力すればいいだけでしょう。

もっとも学歴を意識するのは、学歴も能力もない人達の中の一部の方ではないでしょうか。人生100年時代ともいわれます。能力があって学歴がないと嘆くのであれば、30を過ぎて大学や大学院に入りなおすという手もあります。学歴がないと文句をいわせない程の実績を創り出した偉人も数多く存在されています。

物事に優劣がつくと、必ず上下関係がうまれます。学校を偏差値で評価すると学歴は必ず生まれます。そうなればピラミッドの上位が相対的に高学歴となり、それ以外と区別されてしまいます。

少数派の高学歴の方に「学歴は必要か、不要か」を訴えかけるよりも、多数派の方に「学歴は不要という安心感」をあたえたり、「学歴は必要という焦燥感」をあおるトピックだと思います。

なかなかやせられない人に対する「ダイエットは必要か」と同様のトピックでしょう。

同じ大学卒業でも、「入試に必要な知識を丸暗記した人」と、「既存の知識を踏まえ、初見の問題にいかに取り組み、解決していくかといった態度までみにつけた人」は全く異なるであろうことに異論はないでしょう。

学歴があって能力がない人も大変ですが、学歴も能力もない人が政治家などの日本のトップに増えてきている気がするのは私だけでしょうか。




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