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思いやりがある子に育てるなら、共感のレーダーを高めよう

どうもしろやぎ保育書房です

みなさんは、子どもたちに「思いやりのある優しい子に育ってほしいな」と思うことはありませんか。友達のことを考えられる子になってほしい、他人に優しく接することができる子になってほしい、そんな願いを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで「お友達に優しくしようね」と伝えることがあるかもしれません。
しかし、「優しくしようね」と伝えるよりも、共感のレーダーを高める方がより思いやりがある子に育つ、といわれています。ではこの、共感のレーダーを高める、とはいったいどういうことでしょうか。

そもそも「思いやり」という力を獲得するには、発達の道筋があります。
まずは、ベースになるのが0歳の時の「愛着」です。
信頼できる大人、母親などとの愛着関係を通して「基本的信頼感」を獲得します。
自分は愛されている。自分は大切な存在だ。こう思うことができるようになると、「自己中心性」が育ちます。そして、自分の思い通りにならないと「イヤイヤ!」と言い出します。

しかし世界は、いつも自分が思ったようには動きません。また他の子ども達と関わることで、思いの違い、意見の対立というものを味わいます。
ここではじめて、自分とは違う他者にも意思がある、自分とは違う考えを持った他者がいると知ります。これに気づくと他者の思いに「共感」するということが可能になってきます。
こうされて嫌だったんだな。こう言われると嬉しいのか~。と段々分かるようになってきます。

共感する力が育つと、「先回りして共感する」ということができるようになってきます。
「こうされると嫌がるだろうな」「私がこう言ったら喜ぶんじゃない?」と考えて行動を起こします。
この先回りして共感する、というものが「思いやり」になります。
さらに、「こうすることで、みんなが心地よくなるんだな。このルールがあるからみんながトラブルにならないんだな」といった、学童期の「規範意識」の獲得へと繋がっていきます。

この道筋を理解しつつ、しっかりと思いやりがある子に育ってほしいと願う場合、
「共感のレーダー」を高める事が有効になります。


この共感のレーダーを高める、を言い換えると、それぞれの発達の時期に「共感」を促す、ということになります。
例えば、2歳ごろの子どもたちには「美味しいね」「おもしろいね」というような同じ気持ちを共有する「言葉がけ」を意識します。この語尾の「ね」「なんとかだね~」というのが、「共感」を表す言葉です。

神戸大学大学院の北野幸子准教授の調査では、2歳の子どもの8割以上が「○○ね~」と語尾に「ね」という言葉が使っていることが分かりました。そして「楽しいね、うれしいね」のような、「共感の言葉」を使う子どもたちは、他者への思いやりの行動を持つことができる、と言っています(『てとてvol.11』公益社団法人保育研究協会)。
保育者が、普段から共感の言葉を積極的に持ちいることで、子どもたちの中の共感の言葉が育つ、というわけです。


また、幼児期には、何かのトラブルの時に、反射的な反応から、「好奇心」へと結びつけることが有効です。
たとえば、誰かが癇癪を起して泣きながらクラスから飛び出した。
これを見た時、反射的な反応をすると「あいつ、何なの?」と言ってしまいます。「変なの」とか「わけがわからん」こういった、反応を持つのは自然なことです。

しかし、ここで子ども達の「好奇心」へと結びつけます。
保育者が「あれ?どうして泣いていたのかな?」と聞いてみる。「なんであんな風に飛び出して行ってしまったんだろう?」
すると、子どもたちは状況を捉えなおし、分からないことを自分たちなりに考え、どうしたらいいかなあ。と頭をひねります。
そして、答えを出すことよりも、考える時間を大切にします。
こんな風に「好奇心」で「なぜ?」と考えることで、相手の事を考える、想像してみる、そして共感すると言った、思いやりの基盤が積みあがって来るのです。


今日のまとめです。
思いやりがある子を育てるなら「共感のレーダー」を高めましょう
それは、

①2歳ごろには「共感の言葉」を使うこと。
②幼児期には、反射の反応を好奇心へ結びつける、ということです。


本日の参考文献は『自己肯定感を高める子育て』
ダニエル・Jシーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン著でした。

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今日は以上になります。どうもありがとうございました!

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