【24】オカルト、スピ好きから占いやってみる〈開放5〉
蛇は執念深い。
諦めてはくれなさそうだ。
熱帯夜。
エアコンが停まってしまったので汗が流れる。
「くるな!でていけ!」
両手で押す動きをするが、特にダメージもなく、
シャアアー!
蛇はこちらに攻撃しようと口を開ける。
北野さん!
RRR…
「おー!生きてるか?ザザー、ちょっ…電波悪いな…ザー」
私は泣きそうだ。
「まだ帰ってくれなくて」
「そりゃーそうだ。ただの蛇だろ?日本語通じねぇよ。ちょっと待ってな。こっちも、ザザッ、送るからよ…ザザザ、それで、ザー」
プツッ
また切れた。
もうずいぶん時間が経った。
夜明けはまだか…?
なんとなく朝がきたらいなくなるんじゃないかと思っていた。もう、それしか希望がない。
北野さんも電話が邪魔されてるのか、単に仕事場の電波が悪いのかわからないが、連絡できない。
汗だくになりながら、押し返し、うっすら外が白み始めた時、声が聞こえた。
"助けてやろうか?"
「誰?」
頭に直接響く声。
白いもやとは別の、ほのかに光っているような真っ白な蛇が脳裏に現れた。そして、ばあちゃんの部屋にある神棚が思い浮かんだ。
うちの神様だ。
「なんでもいいから助けてください!」
"わかった。ただし、等価交換だ。身体の一部をもらい受ける契約だ。"
「えっ!?」
声が終わった瞬間―――
ザアアアー!!!
視えない世界の水が押し寄せ、闇落ちした蛇が飲まれたかと思うと、更にでかい白蛇が―――
バグン!!!
一口で食べてしまった。
ポカン…
驚いて何もできなかった。
某アニメでみた忍術のようだった。
そして、次の瞬間
外で風がブワアアーと吹いたと思ったら、着物を着たお婆さんが雲に乗って、私の部屋にすっとんできた。
誰…?何なの?
目まぐるしすぎて、もうわからない。