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【17】オカルト、スピ好きから占いやってみる〈運命の長野6〉

車で、300km。
見慣れたICを降りる。

また来ちゃったな…長野。

辞めてからまだ数カ月。
山は相変わらずキレイだ。

北野さんのマンションに向かう。
敷地に入るとすでに待ってくれていた。

「よく来たなー!さあ、いこうか」

軽トラに乗り換え、他愛ない話しをしながら15分。
結構広い敷地にブルーベリーのような実がついた低木が茂っている。

「指でそっととるんだ」

初めて食べたハスカップは酸っぱく感じた。

「ジャムに加工するんだよ、こんな体験なかなかできないから、いい気晴らしになったろ」

来てよかった。
爽やかな風を深く吸い込む。
気持ちがいい。
ため息をついていた、退職前とは大違いだ。

そして、収穫を終え、食事に行くことにした。

――――――――――――――――――――――
中華料理屋で食べながら、彼氏の、いや、元カレの愚痴やアルバイトの様子を話す。
そして、死にめに会えなかった愛犬のことを話した。 

「家族みんなまだペットロスでね、でも、私は、まだいるような気がして…最後会えなかったから、ずっと後悔してます」 

涙がでそうになる。

北野さんは、なぜかじっとテーブルの下を見て、そして言った。

「ワンワンならそこに居るけど、あんたの犬だったか」

「えっ?視えるんですか!どうすれば、私も分かりますか?」

泣きそうなのと、驚きで声が大きくなってしまい、続きは北野さんの部屋で聞くことになった。


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