【12】オカルト、スピ好きから占いやってみる〈運命の長野1〉
就職から運命の出会いまでの話。
時は戻り、合コン前。
今は就活サイトを開けば、全国の仕事をみることができるが、昔はハローワーク頼りであった。
私は、今高速バスに乗っている。
入社試験を受けるため長野へ向かっているのだ。
申し込んで、受けられたのはここだけ。
長野県内あちこち応募したが、ほぼ、門前払い。足を運んで下見に行った賃貸住宅すら、冷たくあしらわれた。
落ちたらどうしようか。
そんなことを考えながら車窓を眺める。
最寄り駅からタクシーを拾った。
美しい景色を楽しむ余裕はなく、あれこれ考えている内に、遠くに会社か見えてきた。
部屋に通されると、女性が4、5人ほど会議机に2人ずつ座っている。どうやらテストからのようだ。
SPIテストだったと思う。数学の時間が足りない。
ええい、鉛筆転がしてでた面の数字にしよう!選択式だから書けば当たるかも!
心は息切れ寸前。
はああー…なんとか終わった。
SPIとか新卒ぶりだぞ。
そして、面接。
緊張しすぎて何を話したかは覚えていない。。。
気がつけば会社の外にいた。
帰りはテストを一緒に受けた女性が駅まで送ってくれた。
ところで、私、ライバルなんだが…いいのだろうか?いや、冷たくされすぎて人を信じられなくなってるな。本当にありがたい。こんな人と働きたいな。優しい人に、助けられて今があるんだよな。
テストでだいぶ疲弊した頭で考える。
ファ~ン
そんな思考を断ち切るように、
タイミングよくバスが来た。
白く雪を冠する神々しい山々が、夕日を反射してさらにまぶしくキラキラ輝く。
キレイ…
ここに住めたらステキだろうな…
運命の輪は、すでに回り始めていたのに気づかず、
心地よい揺れに身を任せ、いつしか眠りについた。