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SHIRORUメンバー自己紹介第二弾!⑥Farīda

こんにちは、Farīdaです!
早速プロフィールです↓


名前:Farīda (ファリーダ)
所属:京都大学文学部
趣味:映画鑑賞、二度寝名前は本名でもニックネームでもなく、アラビア語の授業で授けられたアラビックネームです。
私が受けた年のアラビア語の授業では、本名にちなんだアラビア語の名前が履修生全員に授けられ、授業中はみんなその名前で呼ばれていました。
特に語学オタクでもない私にとって、学習歴2年目にして言語的なセンスが求められ、内容的にも難しく、出される課題および試験問題が人生の課題になりうる、般教の二外とは思えないほど苦s…いえ、最高に充実したアラビア語の授業……(遠い目)
出欠をとるときも指名されるときも課題を出すときも使ってきた名前なので、1年間苦楽をともにした戦友のようで、とても愛着があります。
本名のえらくあっさりした雰囲気とは違いどことなく情熱的な響きなのも、自分自身を表しているようで気に入っています。

しろるに入ったきっかけの前に、まずはパレスチナ問題に興味を持った2つのきっかけについて書きたいと思います。

私がパレスチナ問題に興味を持ったきっかけは、忘れもしない1月31日、浪人していた年の共通テストを終えてやる気を喪失していたときに、現実逃避でなんとな〜く観た『オマールの壁』という映画でした。
『オマールの壁』はパレスチナ問題を背景とした映画なのですが、ロマンスあり、パルクールのようなアクション要素ありで、当時まったくパレスチナ問題について知らなかった私でも映画として面白く観たのを覚えています。しかし同時に、ラストシーンをはじめとしてわからないところも多く、わからないからこそこの世界をもっと知りたい、という気持ちが掻き立てられた1本でもありました。
そしてそのとき、なぜか私は、大学に合格してもいないのに二外でアラビア語を選択することを決心します。(笑)
とにかく言語だけでも理解できるようになりたいという素朴な動機だったのですが、京大ならアラビア語が取れるぞ、文学部ならアラブ世界の歴史ができるぞ(後に方向転換しますが)、ということで、それまでさほど熱心でもなかった受験勉強にも身が入るようになり、合格最低点プラス4点という運以外の何者でもない超ギリギリの点数で合格し、今に至ります。

私がパレスチナ問題と出会ったのは、このようにきわめて偶然、アッラーの思し召し(?)だったわけですが、『オマールの壁』を観たときに抱いた「わからないからこそ知りたい」という気持ちは、その後も折に触れて私の原動力になっています。

パレスチナ問題に興味を持ったもう一つのきっかけは、ガッサーン・カナファーニーの短編集『ハイファに戻って/太陽の男たち』です。
カナファーニーを知ったのもこれまた偶然で、浪人していたときに受けた模試の、世界史の問題文でした。
世界史の問題は、問題に直接関係がない文章について空欄を埋めたり下線部の関連事項に答えたりする形式なのですが、文章の内容は基本的に関係がないので、普通は文章を一切読まずに問題だけを解きます。
ここまで読まれた方はお察しの通り、私は重度のギリギリ人間なので、そのときも解き終わるか否かの瀬戸際で非常に焦っていました。にもかかわらず、何を血迷ったか、私は今まで一回も読んだことがなかった世界史の文章を最初から最後まで通読してしまったのです。
その文章が、カナファーニーの人生と、彼の代表作「ハイファに戻って」のあらすじを扱ったものでした。
12歳でナクバを経験し、自身が難民となりながらも文学を通じてパレスチナ解放を訴えたカナファーニーの人生。
故郷を追われたパレスチナ人の夫婦がかつての我が家へ戻ってみると、置いていかざるをえなかった赤ん坊はユダヤ人の息子としてイスラエル軍の兵士となっていた、「ハイファに戻って」の悲劇。
パレスチナ問題については高校世界史の知識すら危うかった私ですが、その文章の向こうに広がっている世界をなんとしても知らなければという思いに駆られ、受験が終わってから『ハイファに戻って/太陽の男たち』を読みました。
冒頭に収録されている「太陽の男たち」はイラクのバスラからクウェートへ密出入国を図るパレスチナ難民の話、「悲しいオレンジの実る土地」はレバノンに逃れるパレスチナ難民の話、「路傍の菓子パン」はパレスチナ難民キャンプでの学校の先生と生徒の話……。地名すら馴染みのない全く未知の世界で、どの物語も理解できたというには程遠い状態でした。しかしそれでも、カナファーニーの短編・中編の数々によって、私は「わからないからこそ知りたい」という気持ちにまたしても駆り立てられました。背景を知らずとも読む人の心を揺さぶる圧倒的な「何か」、それが小説の力なのかもしれないと思います。
初めてカナファーニーを読んでから2年経った今、知りたいという気持ちは高まるばかりです。

(後日談ですが、最近「ハイファに戻って」を読み返してみたら全く読んだ覚えのない描写がこれでもかとあり、自分の成長を感じるとともに、私は一体何を読んでどこに衝撃を受けたんだろう……と、「小説の力」なるものの謎が深まりました。笑)

このような経緯でパレスチナ問題に出会い、迷いなく二外に選択したアラビア語では先生方にも恵まれ、パレスチナ問題とそこから繋がるさまざまな問題を日々勉強しています。
しろるを知ったのは、2021年5月にガザが爆撃されたとき開催されたZoomイベントがきっかけでした。ガザの大学生をはじめとした現地の方々との繋がりや、日本でパレスチナ問題に関わっていらっしゃる方々との繋がりは、1人で勉強するだけでは得られない、しろるならではの貴重な経験です。そして、「知ろうとする」というコンセプトも、「わからないからこそ知りたい」という気持ちに突き動かされてきた私には特に合っていると感じています。

しろるに入ってからちょうど1年、メンバーをはじめたくさんの方とともに活動してみて、志を同じくする人が集まればこれだけのことが実現できるんだと、1人では得られなかった体験の数々に驚いています。同時に、大学の外でしろるのような活動を継続的に行うことの難しさも考えると、今こうしてしろるという団体に人が集まってパレスチナ問題に取り組んでいるのは、かけがえのない経験だとも感じます。

今年は主に読書会を通じて、パレスチナ問題にとどまらず様々なテーマについて学ぶ機会を作っていく予定です。長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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