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安全に犠牲必要か?

ご両親にとってはたった一人の我が子

牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされて亡くなった事故がありました。

この事故について、千奈ちゃんのお父さんのTwitter発信を通じて、以下記事のことを知り、読んでみました。

これまでも悲惨な事件や事故が起きる度に社会が反応し、厳罰化や再発防止策がなされてきた。対症療法のように。そして今、千奈ちゃんの事件を機に、置き去りを防ぐ安全装置が全国の幼稚園などの送迎バスに取り付けられようとしている。
それも千奈ちゃんの両親は「関係のないこと」と受け止めている。
「だって、もう最悪の結果になったんですから」

静岡新聞「安全に犠牲、必要か」 終わらない当事者の痛み

自分の最愛の子どもが犠牲になったら、もう取り返しがつかない。ご両親の心痛は察するに余りあります。

人の意識の低さ、安全管理の仕組みの欠如、リスクを考慮されていない環境(バスには窓まで装飾があり、外から見えなかった等)など、問題点は挙げればきりがないほどありそうです。

記者会見では、園側が事故原因と考える四つのポイントが示された。〈1〉乗降車時の人数確認〈2〉複数人での車内点検〈3〉最終的な出欠情報の確認〈4〉登園するはずの園児がいない場合の保護者への連絡――。全てを怠った「四重のミス」があったと説明し、増田立義理事長(73)は「安全管理がきちんとできていなかった」と謝罪した。
~中略~
バスの窓がイラストで覆われて外から車内が見えにくい不備も認めた。

讀賣新聞 女児バス置き去り死で理事長「四重のミス」…「病院で待ち合わせの予定あり、焦りあった」

教育、安全管理の仕組みづくり、環境改善やテクノロジーの導入など、多面的に対策が必要だと思いました。犠牲が出てからでは遅い、子どもや子どもに関する仕組みづくりに携わるすべての人が想像力を働かせて、このような事故を未然に防ぐために何が必要か考える必要があると思いました。

安全のための仕組みづくり

私は全く別の分野ですが、社会インフラの運用に携わる仕事をしています。正直、自分の仕事の範囲でも運用課題や山積みで、考え始めると胃が痛くなります。

人が携わるオペレーションにはミスが付きものです。それは私自身何度もミスをした経験からも切に思います。ミスをしないための本人のプロ意識を高める施策と、ミスが起きない、ミスしてもリカバリできる仕組みづくりを両輪で進める必要があると思います。

例えば、仕組みの一つとして、園児本人がSOSを伝える仕組みを導入できないでしょうか。車やバスに閉じ込められた時のSOSの出し方として「車のクラクションを鳴らす」というものがありますが、その方法を園児本人に教ええ、園の行事として「実際にやってみる」機会を作るのはどうでしょうか。

前提として、推し進めるべきはDX推進を軸にした安全な仕組みづくりだと思います。でも「クラクションの鳴らし方を教える」なら今すぐにも実施できますし、コストもそれほどかかりません。

人手不足な業界で、簡単ではないことは分かります。日々の運用でいっぱいいっぱいでしょうから・・・でも私たちの世代で向き合って、未来にバトンを渡すために目をそらしてはいけないと思います。私も子供たちや未来の子供たちのために考え続けたいと思います。

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