本棚は段ボール Vol.31『ここは退屈迎えに来て/山内マリコ』

山内マリコさんの『あのこは貴族』の映画があまりに良かったので、本を読んでみることにした。
リアルな感じを描くのがすごくうまくて、「わかるわかる」となるのに、リアルが故の"厭さ"がなくて気持ちよく読める。
これは私のテンションの問題なのかもしれない。
決して美しく脚色された現実ではないと思うのだけれど、不思議と厭さがない。
女、というテーマによるものだろうか。
むしろ、現実の脚色されていない作り話だからこそいやさがないのかもしれない。現実は、暗い小説の言うほど嫌なところではないかもしれない。
他の話も読んでみたいと思った。

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