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本や映画、芸術作品に、かっこいい感想を言いたい!

 何かを見た時に、感想を言語化できるようになりたい、という話をよく聞きます。おもしろかったのは確かなのに、感想を聞かれると、「良かったです!」「面白かったです!」「すごかった!」しか出てこない。会話に困ってしまう、うまく何か言葉が出てくればいいのに。

 私はよく、その「感想の言語化」に関して、すごいねと言われます。だから、今回は感想を言語化するためのコツをまとめてみようと思います。

そもそも、感想を言語化する必要はない

 そもそも、別に、他人に何を言われようが、感想を言語化できる必要性などありません。趣味で鑑賞していること・ものに関して義務などありません。楽しければそれでいいのです。
 ただ、言語化したい!という気持ちがあるのであれば、言語化できるように訓練したらよいと思います。
 芸術の類のものなど、楽しみ方は100人いれば100通りでいいと思います。言語化できるからその人の好き度が高いとか、えらいとか、そのようなことはないです。
 そもそも私は、いろいろな対象について考えたり、文章にしたりと、「言語化」をすること自体が趣味のような部分がありますので、それでやっているだけとも言えます。

言語化できるようになろうと思ったきっかけ

 まず、私も5年前くらいまでは言語化なんてできていなかったと思います。ただ、言語化できるようになろうと思ったきっかけが明確にあります。
 当時の先輩に、美術館に行かないかと誘われ、ついて行った時のことです。美術館などあまり行ったことがありませんでしたが、現代美術のよくわからない(けれどすごい)造形物たちに対して、先輩たちが、小難しい感想を語り合っていました。

「これはこういうことを表現しているのかなあ」

「確かにそういう解釈もあるね」

私は、「かあっこいい~~~~~!!!!」と思いました。もちろん当時、自分の口からは何も言葉は出てきませんでしたが、そのかっこよさにしびれてしまったのです。

言語化できるようになるには?

 そこから、「私もあんな風に感想をかっこよく語り合いたいぜ…!!」と思い、言語化の訓練をはじめました。

1. 数をこなす

 何にせよ、数を知ることは言語化に大いに役立ちます。
 「他作品との比較」というのは、感想を述べるうえで非常に使いやすいので、純粋に知識や引き出しが多ければ、比較による感想を引き出せます。
 また、数を見ると、ある程度の表現に関する推測もできますし、見ていくうちに、理論的な知識もなんとなくついていくものです。学術的な知識は、感想を述べるうえでも役に立ちます。

2. 文章や言語化を普段から心がける

 言語化は、訓練です。やっていくうちにできるようになり、やらないとできなくなります。文章も、継続して書いているとうまくなりますし、さぼると下手になります。続けていくことが大切です。

3. 人との意見交換

 人の言語化能力を盗みましょう。また、インターネットで該当のもの・ことに関する感想文を検索し、いろいろ読んでみるのも役立ちます。これは「そういう言い方ができるんだな~」という事だけでなく、その人の意見に対して、自分は異なる感じ方をしている部分があれば、そこを言語化してみるといいと思います。

4. 勉強する

 作品に対する、時代背景や文化、表現方法や流派といった学術的アプローチで勉強していくと、まず作品の見方が分かったり、表現されている内容が分かるため、感想が出てきやすくなります。
 ただ、別に時代背景等に興味があるわけではないなという人も多いと思います。(私もです。)
 なので、べつにやりたければやればいいし、やりたくなければやらなくていいと思います。(全部そうですが。)

5. 本を読む

 これは語彙力や表現力の問題です。私は子供の頃から本を読んできましたので、やはり、読んでいない人と比べると、とっさに出るボキャブラリーは多いほうかなと思います。また、別に知識を得るための本を読む・知識を得るために読むことはしなくていいと思いますが、本を読んで無意識にでも知識を得ると、意外なところでその知識が感想に繋がってきたりします。単純に、思考のパターンや方向性が増えるので、感想が出てきやすくなります。

6. 部分を拡大する

 全体について何かを言おうとすると、難しかったりします。ある一か所を取り出して、ここがこうだった、ここを見た時にこう思った、などの、部分を拡大して自分が感じたことを述べていくパターンは感想を話しやすいと思います。

 いかがでしたでしょうか。
感想を言いたい!語り合いたいのに言葉が出てこない!という方、参考にしてみてください。


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