末次由紀という漫画家さん
noteを始めてさっそく参加せずにいられないテーマが舞い込んできた。
マンガについて書くのはまだまだ先と思っていたが、この機会にまずは熱く語りたい。マンガは私の人生に欠かせないものであるが、人生を深く学んだ要因はそれを描かれている漫画家さんにある。
早速、テーマを無視して私を構成する5つのマンガ家さんを取り上げる。
①末次由紀 先生
②高屋奈月 先生
③種村有菜 先生
④あだち充 先生
⑤尾田栄一郎 先生
①~③までは女性作家、④、⑤は誰もが知る超有名男性作家である。
一つ一つ語らせて欲しい。要らないところはどうぞ飛ばして読んでください。
①末次由紀先生
代表作は「ちはやふる」。映画やアニメにもなり、最新刊は44巻。(2020年5月現在)第2回マンガ大賞など、多くの賞も受賞しており、ご存じの方も多いだろう。だがマンガ以外で末次先生がニュースを騒がせた時期があったことを知る人は少なくない。
有名マンガの構図をそのまま使用し盗作。
2005年それまでの末次先生の作品はすべて書店から消えて、絶版となった。
私は特に末次先生の「君の白い羽根、君の黒い羽根」シリーズが大好きで、中学生の頃は何度も何度も読んで泣いた。今絶版となってしまった末次先生のマンガはほぼ全て持っている。当時連載中だったSilverだけコミックスで買っておらず、手に入らなかった。悔しい。
末次先生の作品にはいつも愛が込められていて、人々が抱えるコンプレックスや、負の感情、命の尊さなどを丁寧に表現し情緒豊かに描くし、最後には必ず勇気や希望、時には何とも言えない悔しさなんかを感じる、、、とにかく人の心の動きを描く天才で、熱い想いの塊のようなマンガなのである。
盗作した理由も、人物画を描くことに自信がなかったコンプレックスからトレースしてしまったといい、作品のストーリーを真似たものでは決してない。盗作された先生方や出版社が訴えていない事や、今現在また作品が世の中に認められている事実が、末次先生の才能を認めて受け入れている事を物語っていると個人的に思う。
【末次先生目線で過去をみる】
盗作が発覚し、連載中止、全ての作品絶版。
今まで積み上げてきたものをすべて失い、生み出してきた自分の子供とも言える作品たちが絶版となり、もう世の中の人に読んでもらえないという事実に向き合わなければならくなったとき、末次先生はどんな気持ちだったのだろう。もう。これを書いていて考えただけで泣きそう。
2005年から2007年まで2年間先生は活動を休止した。2年は長い。
末次先生が復帰した雑誌は、正直そこまで有名な雑誌では無かった。
講談社の看板雑誌の一つ”別冊フレンド”の中心作家として活躍されていた経歴を考えると、"BE・LOVE"という雑誌に載るというのはマンガ好きの私からしても知らない雑誌だったのでとても驚いた。当時私は高校生だったが、そこで何となく社会の厳しさというものを感じたことを記憶している。
全てを失い本当に落ちた後からの再出発。末次先生はどんな気持ちで2年間を過ごしたのだろう。
復帰後の作品を読んで、昔からのファンが気付く事がきっと一つある。
すごく絵が上手くなった。
上から目線の表現になってしまう事に誤解しないで頂きたい。でも、本当に人物描写が丁寧に、自然に、躍動感もあり、描けるようになっていて。作品の質を更に向上させていたのである。
末次先生は活動休止の2年間。自分と向き合い、苦手だった絵を勉強されていたんだ。そう思うと読んでいてまた別の意味で胸が熱くなった。
もちろんこれは私の想像でしかないが、それでも復帰前と復帰後では先生が進化していたことは事実だ。
こうして復帰後ちはやふるで世間から認められて、少女漫画界だけでなく、基金を立ち上げるなど、百人一首という日本文化の普及にも大きく貢献されている。
終わりに
あんなに暖かいマンガ作品が書ける人はなかなかいない。そして、本当に心の優しい人なのだと思う。そう。私は末次先生が大好きなのだ。
昔のマンガこそみんなに読んでもらいたい。いくら積まれても絶対に売らないが、いくらでも貸してあげたい(丁寧に読んでくれる人限定)。ちはやふるだけじゃなく、昔の作品を読んでこそ改めて強い勇気がもらえると個人的に思う。
因みに、現在4人のお子さんがいらっしゃるそうで、そんな中、執筆を続けるバリバリのワーキングマザーである。
本当に素敵な人だ。また読みたくなってきた。
一番思い入れのある作家さんだったのでやはり長くなってしまった。
残りの②~⑤はまた引き続き別で配信しよう。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
末次先生ファンが増えるといいな。
白椿
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