おっと、これはパンドラの箱を開けた本か?
稲田豊史氏。
実は俺の本を書いてくれたライターさんである。
彼はサブカルチャー系のプロで、いろんな書籍を出しておられる。
今回、同月に2冊の本が出版されたが、
その1冊が届いた。
まえがきを読んで、「こりゃ凄い本かも・・・・」と予感させる文章。
仕事に直接関係無い本やけど、
今のカルチャーを知るには、めちゃめちゃ切り口鋭いなぁと思った。
昔を思い出すと、俺は小学生の頃、親父に連れて行かれた洋画に衝撃を受けて、そのカテゴリーの映画を見たくて見たくて仕方なかった。
そのカテゴリーというのが「マカロニ・ウエスタン」。
まぁその名の通り、イタリア製ウエスタン映画。
早撃ちや、残虐な殺戮シーンが売りになっている。
小学生に観せたらあかん作品を親父が自分がみたいから観せた。
でも、小学生が映画館には行けず、
テレビでもマカロニウエスタンなんかやらないので、
ずーっと観ることができず、
中学生、高校生になっていって、
大学時代になってレンタルビデオがちらほら始まり、
それからどっぷりウエスタンに浸かった。
でも、今ではNetflix,Amazonプライム、Hulu,など見放題ばっか。
それにスマホでも観ることができる。
映画だけでは無い。
連続ドラマやアニメ、10話、20話、もうどんだけ?
そら早送りして観るようになるのはわかる。
けどね、セリフが無いシーンは10秒とばしなんてしたら、
本当の意味での空気なんて絶対しることが出来ない。
何のために映画を観てるの?って言いたくなる。
例えば、
黒澤明監督作品「椿三十郎」のラストシーン。
三船敏郎と仲代達矢の最後の決闘シーン。
このラストシーンを早送りなんてして見たら、
10秒飛ばしで見たら、
こんな凄い「気」を感じることなんて出来ない。
全てのモノが短尺、
それも最近では縦型短尺が主流。
ライフスタイルが変わっていく主流がZ世代。
そして、それについていけない我々。
どんどん良いモノの質が変わっていってるのが
ちょっと寂しい気持ちもする。
ちょっとこの本は真剣に読みたいと思った。