【レース回想】96年弥生賞≪初恋の馬①≫

こんばんは、白猫です。

とうとうクラシックのトライアルレースが始まりましたね。生涯1度しか出走できないGⅠに向けて、各陣営の緊張感をひしひしと感じる季節になりました。最近はGⅠへ直行するローテーションを選ぶ有力馬も増えましたが、個人的にはトライアルで成長した姿を見せつけて、本番に向かって前途洋々!みたいなステップを踏んで欲しかったりします。単純に、応援している馬が走る姿をたくさん観たいだけかも知れませんが。

出会いは突然に


私の競馬デビューは1995年のオークスでした。サンデーサイレンスの初年度産駒達がクラシック戦線を席巻した年になります。この年のオークスを制したのはサンデーサイレンス産駒のダンスパートナー。鋭い末脚と負けん気の強さが魅力の彼女の1歳下の全弟が、私の初恋の馬ダンスインザダークです。桜花賞2着、オークス1着、菊花賞(!)5着馬の弟ということもあって、デビュー前から評判が高く、12月3日阪神競馬場で行われた新馬戦も当然の1番人気で迎えました。

終始中団のラチ沿いでレースを進め、最後の直線で進路を外に取ると、10馬身はあったと思われる先頭との差を一気に詰める末脚が炸裂!残り100m辺りで観客の歓声に驚いて顔をスタンドに向けてしまい一瞬スピードが落ちたものの、「あ、まだレース中だった!」みたいな顔をして再加速。先頭を交わして3/4馬身差をつけて完勝。

えぇ、競馬初心者でもとにかくものすごーく強い勝ち方だったことはわかりました。強さだけでなく、500kg近い雄大な馬体なのに柔らかい動き、美しいお顔、そして素敵な名前…………。あっという間に、そして沼にはまるが如く、深く深く恋に落ちてしまいました。

目に見える成長

そんなダーク君でしたが、新馬戦後はモヤモヤしたレースが続きました。2戦目のラジオたんぱ杯では同父のロイヤルタッチ、イシノサンデーから「3馬身1/2」も差をつけられ3着に完敗。しかし約1ヶ月後の3戦目のきさらぎ賞では、ロイヤルタッチとの差は「クビ」にまで縮んでいたのです。結果としては連敗してしまいましたが、ダーク君はライバルとの着差をもって、ハッキリとわかりやすく「成長」してくれていることを証明してくれました。

そんなきさらぎ賞から約1ヶ月後に行われたのが、皐月賞トライアルの弥生賞。ラジたんで完敗したイシノサンデーとは約2ヶ月ぶりの再戦です。スタートしてしばらくは後方外目でレースを運んでいたダーク君でしたが徐々に位置を上げ、4コーナー手前でまくり気味に進出開始。直線に入った段階で早くも前目でレースを進めていたイシノサンデーを射程圏内に。残り200mでイシノサンデーを捉えると、最終的には鞭も使わず(のように見えました)、ゴール前は手綱を緩める余裕もみせながら、2着の馬に1馬身先着。はっきり言って横綱相撲です。イシノサンデーはそこからハナ差の3着でした。

ここまで淡々と書き連ねてきましたが、2ヶ月前に完敗した馬相手に1馬身+ハナ差をつけて快勝って、ダーク君の成長力、凄まじいものがありませんか??この投稿を作成するにあたってレース映像やスクラップブックを見直したりしたんですけど、ここまでわかりやすく短期間で成長力を見せつけてくれた馬って他にいるんだろうか??私が知らないだけで存在するのかも知れませんが……。そういったお馬さんをご存知でしたら是非教えてください。

そんな訳で、ダーク君はこの弥生賞勝利をもって96年クラシックの主役候補の1頭となった訳ですが、その後のダーク君についてはまたの機会に語らせてください。




今年の弥生賞には、例年以上に有力馬が多く出走しています。勝馬は1頭しか出ませんが、物語は馬の数、人の数だけ存在します。それぞれのストーリーが、素敵なものになるようなレースになるといいなぁと思います。


予想はまた明日投稿します。それでは。


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