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2025年の壁量計算はどうなる?その1

全棟構造計算は今のところ不可能です

木造住宅の真の耐震化を進めるなら、全棟構造計算!などと言っている人がいますが、現実的には不可能です。その崇高な理念は認めますが、2025年時点では無理です。また全棟構造計算を謳っている業者さんは、その多に比べてのアドバンテージがなくなるわけで、本当にそう思っているのかは疑問です。

さて、2025年に4号特例が廃止され、木造2階建ては新2号となり特例を外れます。その内容を早く知りたい!方が多かったため11月の説明会、12月の講習会はすぐに満員御礼となりました。

11月の説明会では・・・

・昨年発表されたZEH等の壁量計算案はなくなった
・重い屋根・軽い屋根の区分がなくなり実質的な重量相当で壁量計算を行うことになった
・計算法は3つ
・準耐力壁等を考慮可能にした
・高耐力壁を使用可能に
・壁量計算の他に検討が必要
・構造計算する場合は壁量計算不要に

といったところでしょうか?

木造住宅の多様化により、重い屋根・軽い屋根だけでは適切に必要壁量を算出できないので、ZEH等を加えることによって改善を狙ったようですが、それでも対応できないと判断したようです。


3つの壁量計算の必要壁量の算定方法

では、必要壁量の計算方法3つについて今回は説明します。

まず一つ目は建物の荷重に応じて算定式により必要壁量を算定するものです。構造計算に似た方法です。窓の荷重や太陽光パネルの荷重、断熱材の荷重なども出さなければならないので、非常に難しいです。これなら構造計算したほうがよいと感じます。まあ、この方法は諦める方が多いかもしれません。ただ、法令による壁量計算でこの方法が明記された以上、耐震診断で、この方法以下の方式しか入力できないソフトがあるので、それは淘汰されるでしょう。

二つ目は、床面積当たりの必要壁量の試算表(早見表)です。1,2階の床面積の割合や、階高、屋根葺き材、が壁の組み合わせによって、必要壁量や柱の小径が決まるので、非常に簡便です。また以前のように2種類の分類よりは、実際に建てる住宅の状況に適合するわけなので、非常に簡便かつ実状にあった方法かと思います。いつも建てる住宅の仕様が決まっていれば、同じ数値になるわけで、それもわかりやすいでしょう。

三つ目は、表計算ツールによるもので、表計算に階高、各階床面積などを入力し、屋根、外壁の仕様や、太陽光パネル、断熱材の重量などを入れると、必要壁量が出るものです。二つ目より、より実状に合わせやすいので、計算ソフトでは、こちらを採用するものが増えそうです。

というわけで、昭和56年以来、長年使い続けていた、重い屋根・軽い屋根の区分はなくなります。もちろん講習会資料には「見込み事項」とあり、まだ最終決定ではないようですが、この方向で決まる模様です。壁量が厳しくなるぶん、準耐力壁等を加算できるようになったり、高倍率の壁が加算できるようになり、実際の影響を軽微にするようにもしています。それは次回に説明します。

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