HOUSE-ST1を買って構造実務を行うときに最低限必要なもの7つ
構造計算ソフトを販売していたり、ブログで書いているので「構造計算ソフトを買ったら実務はできますか?」という質問がいっぱい来ます。気持ちは分かります。ソフトは高額ですからね。すぐに運用して資金を回収したい気持ちや、それ以外の投資を行いたくない気持ちは分かります。技術は必要として、それ以外に必要なものを紹介したいと思います。ソフトウェアは木造構造計算ソフト「HOUSE-ST1」を想定し、ソフトを購入したことを前提に書いています。
1:パソコン
まずはこれがなければ構造計算ソフトが動きません。HOUSE-ST1は64ビット版のWindows10と8.1で動きます。32ビットOSでは動きませんので要注意です。それほどハイスペックは必要ありませんが、必要メモリーは8GBとありますので、これから買おうという方はご注意ください。CPUなどもできるだけ速いもののほうが良いです。インストールにCD-ROMが必要なことも忘れないでください。マウスは使いやすいもので。特に指定はありません。ノートパソコンの場合でテンキーがないと操作しにくいので、テンキーがない場合は外部接続で用意したほうが良いでしょう。インターネット接続は必ず必要ですので(ネット認証やアップデートやサポート)こちらも忘れなく!
2:OFFICEソフト(表計算ソフトEXCEL・ワープロソフトWORD 等)
これは必須です。安全証明書等の書式はWORD・EXCELの書式で配布されています。やはり最低限表計算ソフトとワープロソフトを持っておいた方が良いでしょう。互換OFFICEでは?と聞かれますが、私は大丈夫かも?としかいえません。行政の書式などでは互換OFFICEでは駄目なものも存在します。駄目だった時点で考えても良いのですが、MS純正の最新版を揃えておくことをおすすめします。特にEXCELは、追加計算書などを作るときに重宝します。構造計算書作成で、追加の計算書を作らなくて良い場合は、むしろ稀なので関数など使えるようにしておきましょう。
3:PDF編集ソフト・DocuWorks等
HOUSE-ST1の計算書をいきなりプリンタで出力すると、間違えたときのダメージも大きいです。また追加計算書などと一緒にしたほうが管理上も良いので、PDFでまとめると良いでしょう。DocuWorksは、紙の書類と同じように、重ねたり追記できるので、構造屋さんに人気があります。PDF編集ソフトでも、同様のことができるソフトも多いので、どちらか用意しておくと良いでしょう。
4:木造軸組構法住宅の許容応力度設計2017
構造系の勉強をするのに、他の書籍は自分の好きなものを揃えればいいと思いますが、これだけは必須です。確認検査機関から、この本のページ数などで指摘を上げられることがあります。グレー本と呼ばれています。
5:プリンタ
これが無ければ紙に出力できません。家庭用プリンターでも良いのですが、印刷枚数が数百枚になります。できるだけ高速で、ランニングコストが良くて、壊れにくいものをお勧めします。構造図を印刷するならA3も必要です。ファイルのときに嵩張るので両面印刷できるものをお勧めします。逆に写真画質は不要なので、最近の大きなタンクのシンプルなプリンタで大丈夫です。HOUSE-ST1は標準でカラーなので、モノクロ専用プリンタは避けましょう。最初はミスも多いので紙も多めに購入しておきましょう。通常のコピー用紙で構いません。
6:標準図
恐らく、最初に困るのはこれ。意匠でも準耐火リストなどオリジナルでまとめている人が多いと思いますが、構造も結構膨大です。自作するのもいいのですが、お手本として、市販のものを買って、それを参考に作ると良いでしょう。木造は公益財団法人 日本住宅・木材技術センターの「木造住宅建築確認申請用等の構造標準納まり図」をお勧めします。グレー本の発行元なので、いろいろ都合が良く信頼性が高いです。基礎など鉄筋コンクリート部分が必要な場合は、一般社団法人東京都建築士事務所協会の「構造設計特記仕様および標準図」を利用するといいでしょう。他にもいろいろ出ていますので、自分の気に入った物を元に作成すると良いでしょう
7:PDFを編集できるCAD(DRA-CAD等)
構造計算を行うときに、PDFの図面を元につくることがある。一から作り直しということもある。しかしスキャンデータとかではなく、CADで作られた図面をPDF化したものはCADデータ化できることがあります。DRA-CADなどPDF読み込みに対応したCADがあると重宝します。特にJWWに変換したい場合は、一択だと思います。ちなみにDWGなどで良ければillustratorなどでもできます。DRA-CADはデータコンバーターとしても有用なので、一本持っておくと良いでしょう。
とりあえず7つ紹介しました。他にもあれば便利なものもあります。その都度考えて追加していけば良いと思います。
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