見出し画像

コロナウイルスに揺れる世界で、ドイツ在住日本人は自分たちより日本を心配している件

もはや全世界で、地球レベルで新型コロナウイルスとの戦争と化している現在。ドイツ在住の筆者のもとに、日本の友人からたくさんのお見舞いの声が届きます。ありがたいことです。本当にありがとうございます。

でも

ドイツ在住日本人たちは、むしろ日本のことをとっても心配しています。


ドイツの今

ドイツの友人に医師が6人います。
そのうち半数は"自身も具合が悪いけれど休めない"と現場に出続けています。残りの半数はおそらくSNS投稿や友人への連絡をしている暇もないほど頑張ってくれています。

"Wir sind für Euch da"
(私たちはみんなのために現場にいます)

"Bleibt Ihr bitte für uns zu Hause!"
(だからみんなは私たちのためにおうちにいてね)

SNSは、このメッセージが書かれたプラカードを持った医療チームや消防、警察、物流スタッフ、スーパーマーケットの従業員たちの写真であふれています。






今ドイツにいる以上、ドイツと日本を正確に比べることはもちろんできないけれど、ここで入ってくる双方の情報からは、日本の方がずっと心配です。

なぜ日本が心配なのか

ドイツのニュース、普段コメンテーターがいる番組も今はほとんどがアナウンサー1人になっています。各地のジャーナリスト、自分のスマホから自撮り棒でテレビ中継しています。毎日各省庁の大臣が自分の口で現在のコロナ対策状況を報告します。それも、屋外で1人で寒そうにしながら半径数メートルに誰もいないのを見せています。議会の席はいつも通りでなく、傍聴席も利用して2席以上あけて着席しています。(もちろん一般傍聴はナシ)

これだけでもトップが持っている危機感の差が歴然としています。

病院内部の様子も毎日報道され、ワクチン研究の進捗や、コッホ研究所の内部の人の声も届きます。

町の病院は場所によっては待合室に通す前に屋外で咳などの症状がないか確認しています。検査を希望する人がさせてもらえないことはなく、今後は体制が整い次第、元気な人にも検査する方向に向かうだろうとの情報も出ました。

日本のように検査数を減らす方が結果的に医療崩壊を避けられるのかどうか、現時点で正確な答えを持ちあわせている人はいません。

ただ、知りたいことをきちんと知ることができるということ。

これは精神的にも大事で、ドイツの、少なくとも筆者の周りの人々(住んでいる地域の人々、連絡の取れる各地の友人達とその周りの人)はパニックを起こしてはいません。

パスタやトイレットペーパーは手に入りにくいけれど、入荷日には長い行列ができることもなく購入できます。

ほとんどの人は各州の要請に従い、他人との距離を最低1.5m保ち、3人以上での外出はせず、休校やリモートワークや対象店舗の閉店に必死で耐えています。

日本人だけが文化としてお花見したい民族なのか?

それは違います。ドイツ人だって本来なら外で集まり、ビール片手にわいわい騒いだり、もう少し暖かくなればバーベキューなど、やりたいのはやまやまです。

しかも

4月にはキリスト教徒にとってクリスマスと同じくらい大切なイースターがあります。

今年のイースターは教会のミサもなし、子供達が祖父母を訪ねることも自粛と決まっています。大きな痛みを伴う決断でも、人命最優先でみんなが一致しているからです。

ドイツはリモートワークが進んでいるからいいよね!

それも違います。たしかに日本よりは過去の、普段の事例は多いけれど、前例がなかったという会社も必死で方法を模索しています。今まで宅配をしていなかったレストランも、店内での飲食自粛となり、生き残りのために始めています。

保育園から大学まで休校になり、母親の負担が増えているのも受験生が不安になっているのも全く同じです。フリーランスや自営業が大打撃を受けているのも同じです。でも、耐えています。

補償してほしい、特別措置を期待しているのも同じ。でも人命のためにこれ以上拡散しない、医療崩壊させない対策なら、まずは支持し実行する。その上で必要な声をあげていく。

日本の今

日本では東京での感染者数が3日連続で40人以上となった現在でも、満員電車に乗っている人がいます。ライブやイベントを開催している場所があります。都市封鎖や外出規制を非難する人が信じられないほどたくさんいます。そうかと思えば不安に負けて必要以上の買いだめ、買い占めに走っている人がいます。

もちろん、上が決めてくれなければ動けない、どうにもできない人も多いのは分かります。

だからこそ日本が、日本人が心配です。

一人一人ができることから始めませんか?
誰かに言われなくても、自発的にやっている人もたくさんいます。
やってるよと公言しなくても、自分と周りの人を守るために、黙々と続けている人がいます。ちょっと他人事に思っていた人にも考えなおして欲しい。

落ち着いて、信用できる発信元の情報を見てください。感染予防対策を実行してください。手洗い、うがいの徹底はもちろん、十分な栄養と睡眠の確保も不可欠です。

かからないだけでなく無意識に移さないための配慮をしてください。それはマスクをすれば大勢でお花見をして良い、人と集まって良いということではないはずです。

筆者も子供がいるのでわかります。卒園式や入学式はどうしてもやってほしいし写真に残したい。

でも子供の命と、回復しても後遺症が残るかも知れないリスクと、天秤にかけられますか?
誰かの大切なおじいちゃん、おばあちゃんが感染してしまうリスクは?

聞くまでもないと思います。

今、なるべく家にいる。

それだけで減らせるリスクがあります。
ドイツ、大変そうだね~と言ってくれるあなた、日本がそうならない保証はどこにもありません。メルケル首相の演説の通り、「事態はすでに深刻です。この先どうなるかは1人1人の意識と行動にかかっています。」

全世界で終息宣言が聞ける日が一刻も早く訪れますように。





ちなみに、noteが信用できる情報元としている2つのリンクはこちらです↓

厚生労働省

首相官邸


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?