見出し画像

人の行動を変化させるには

みなさんこんにちは。
白目みさえです。

臨床心理士/公認心理師として普段は精神科に勤務しながら、夜や休日は漫画家活動をしております。漫画についてはよろしければこちらなどをご覧くださいませ。


ごめんなさい。まず伝えておきますが。
「人の行動は変えられません」

むしろそう思っておいた方がいいです。

今回紹介する方法は「もしかしたら変わるかもしれないけどそんなんとっくにやり尽くして無駄かもしれんし、しかも変えられる行動の種類はかなり限られてるし、あなたの望む形ではないかもしれんけどそれでも良かったら0.1%くらい可能性があがるかも」くらいのもんなので、「それならいいわ」って思った人はそっとページを閉じてください。


しかも正直なところ。

あんまり綺麗な方法ではないです。

ちょっと裏技的。


カウンセリングや講演では時々伝える内容なので、具体的な内容については有料公開とさせていただきます。

具体的な実践まで読みたいと思われたらご購読くださいませ。


他人の行動を変えるためにできること

一言で言うと「その人の立場に立った時にその人にとって一番デメリットになる内容を伝えること」
ただし「行動を変えようとしているという雰囲気を出したらアウト」です。


最初に伝えておきます。

「改心させる」は諦めてください。


例えば「他人を殴る」人に「相手の気持ちを想像して痛みを考えられる人間になってごらんなさい」は無理です。

そんなもん他人に言われて「そうか!」ってなるくらいならとっくになってます。

また「相手の気持ちを考えてあげて」と言うと、相手に「そんなこと知らなかったよね?」「考えてなかったよね?」「馬鹿だよね?」みたいなニュアンスで伝わることがあります。

知っててもやってるならそれは有効な説得方法ではないのです。

相手の気持ちを考えるという曖昧かつ高度な説得によって行動を変えられるのはせいぜい小学生まで。

有効な方法でないのならちがうアプローチに変化させる必要があります。


またもうひとつ大事なことですが、「相手の気持ちを考えて」という場合大事にしているのは「相手」なんですね。

目の前のあなたよりも「見えない相手」を大事にしたメッセージなのです。

どうしても学校に行きたくない理由があって苦しんでいるのに「アフリカの子どもは学校に行きたくても行けてない」とか言われた場合。

このメッセージは「学校に行きたくても行けてないアフリカの子どもに同情している」というニュアンスしか伝わりません。

目の前で苦しんでんのはワシや!ってなりますよね。
ワシに同情せんかい!って気持ちになって当然です。

アフリカの子どもは別の場所で大事に考えてくれたらいいのでね。


多くの場合「相手の行動を変えさせる」ために「正論」は無意味です。

「いやそこじゃないんだよ」という理由だったとしても、大事なのは「問題行動」を変えることなので。

もし説得を試みるのであれば、全力で相手の立場に寄り添わないと、相手がどこにひっかかっているのかは見えてきません。


その辺りをしっかり抑えておかないと、会話が成り立たないどころか、行動が悪化します。

「心理的リアクタンス」という心理現象があります。

わかりやすい例を出すと
「あんた早よお風呂入りや」と言われると
「今入ろうと思ったのに!入る気無くしたわ!」ってなる現象です。

人は行動の自由を制限されると反発したくなります。

「あ、この人自分の行動変えようとしてる、禁止しようとしてる」と察知されるとその時点で「逆に」悪化します。


そして先ほど「人を殴る」と例を出しましたが、この方法を使えば「人を殴らなくなる」のではありません。

ただある条件のもと、「このような場合であれば」制限「できるかもしれない」という例です。

もちろん当てはまらない場合もあります。

年齢や相手の状況、タイプによっては全く通じないこともありますので、ご注意ください。

例①誹謗中傷コメントを書き込む人への注意喚起


以前Twitterでこんなツイートををしました。

勘の言い方はもう「そういうことね」となると思いますので、以下の解説は読まなくても良いかと思います。

他の事例も大体こんな感じですので、お役に立てれば幸いです。

また少し不安を煽るような内容にもなっていますので、心が元気な時にお読みください。


ここから先は

3,656字

¥ 200

お役に立てましたらこちらよりサポートいただければ、白目をむいて喜びます♡