いつもより騒々しい朝。 いつもの国道のT字の交差点で 何かが起こっていた。 春の終わりと初夏の間の、生ぬるい風に吹かれ、自転車を走らせる高校一年の僕は 少しずつスピードを緩め、停まった。 集まった数台の救急車やパトカー、交通整理する制服の男達、大きなトラックの事故車両、布の様なものがかけられた捻じ曲がった自転車が1台、中央分離帯の辺りに投げ出されている様子を目にして、感じたことのない焦り、嫌な想像が頭に浮かんだ。 そんなはずはない。 でも登校時ここを通るのは、この地区で